お友達とのトラブル回避、行き渋り対策は?

 登園再開後、子どものお友達関係のトラブルが起きるケースも考えられます。例えば、お友達と再会してうれしい気持ちがあっても、思い切り喜ぶ子もいれば、クールな子もいますよね。自分はうれしくてワーッと駆け寄ったのに、そっけない態度を取られた。そんな温度差で悲しくなったり、戸惑ったり、時にはケンカになったりする子もいるかもしれませんね。

お友達とのトラブルが起こる可能性もある
お友達とのトラブルが起こる可能性もある

 もし登園再開までに時間があるなら、オンラインツールでお友達と顔を合わせたり、お友達の写真を見せたりしておくと、スムーズに友達関係を再構築するのに役立つでしょう。

 また、なかなか園に行きたがらない「行き渋り」をする子どもがいるかもしれません。これまでずっと家で親と一緒にいたのに、急に環境が変わって不安定になってしまうのは仕方がないこと。一番気を付けたいのは、親自身が抱える不安を子どもに感じさせないことです。「また保育園に行けて楽しいね」「先生やお友達に会えてうれしいね」と、ポジティブな言葉かけをたくさんしてあげてください。そして、「○○ちゃん(くん)が保育園に行っている間も、ママ(パパ)は○○ちゃん(くん)のこと考えているよ!」と、いつもあなたのことを忘れていない、泣いちゃっても失敗しても大丈夫なんだと安心させてあげてくださいね。

登園自粛中の生活リズム、どう改善する?

 テレワーク中は、やむを得ず、子どもに動画やテレビ番組をたくさん見せた家庭も少なくないと思います。「子どもの発達にとって大切な時期なのに……」と後悔している人もいるのではないでしょうか。でも子どもたちは柔軟です。保育園が始まれば、動画よりも楽しいことを自分で見つけます。園生活が忙しくなれば自然に動画を見る時間は減っていくはずですから、長い目で見てくださいね。

 登園自粛が続いており、親が仕事をする間に動画を見せなければならないときは「今は特別な時期だから動画を見てもいいんだよ」と説明してあげてください。子どもにきちんと話しておくことも、動画を見る習慣を引きずらないためには大切だと思います。

動画を見せるなら「今は特別な時期だから」と説明しよう
動画を見せるなら「今は特別な時期だから」と説明しよう

 登園自粛中は、就寝・起床や食事の時間といった生活リズムも変動しがちだったのではないでしょうか。生活リズムを整えるなら、まず意識すべきは就寝時間です。時間を決めて、とにかく子どもと布団に入ってしまいましょう。例えば、寝る前に子どもとお話しする時間を作り「そろそろお話を始めまーす」と子どもに声をかけるなど、きっかけを作っておくといいと思います。幼児期に、夜決まった時間に眠りに就く習慣を付けることはとても重要なので、これだけは少し頑張ってほしいですね。

 登園再開後、しばらくは親子ともに慣れない日々で、疲れやすくなっているでしょう。親も最初からフルアクセルを踏もうと思わずに、徐々に慣らしていってくださいね。

取材/日経DUAL編集部 文/都田ミツコ イメージカット/PIXTA