日々忙しいけど、子どもの内面を豊かにしたり、視野を広げてくれたりする絵本や映画、舞台に触れさせたいという人は多いはず。でもどんな作品を選べばいいのか、迷ってしますよね。そこで、各界で活躍している、映画や音楽、本などに造詣が深いママやパパに、子どもにどのような作品を見せているかを順番に聞いていきます。

連載1回目は、内科・皮膚科医で、コメンテーターとしてテレビや雑誌でも活躍する1歳、4歳、6歳の3人の子どものママである友利新さんが登場。子どもたちと楽しんでいる絵本や動画、自身が子どもの頃に触れてきた作品について聞きました。親子時間を過ごす参考にしてください。

名作の新装版やオーディオブックは子どもも楽しめる

日経クロスウーマン DUAL(以下、――) 往年の名作から、最新の人気作まで子どもに与えたい絵本、映画、音楽は世の中にあふれています。3児のママであり、医師でもある友利さんは子どものためにどんな作品を選んでいるのでしょうか。

友利 新 (ともり あらた)
友利 新 (ともり あらた)
医師。沖縄県宮古島市出身。2016年第9回ベストマザー賞【経済部門】受賞。子育て応援・ママ応援大使。3児の母。

友利新さん(以下、敬称略) 私は基本的には、長く語り継がれている名作を見せたり、聴かせたりするようにしています。絵本だと、わが家ではよく宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読んでいます。文章は難解ですが、友人の清川あさみさんというアーティストの挿絵が入った絵本(『銀河鉄道の夜』(著・宮沢賢治・清川あさみ/リトル・モア)は、子どもたちが「きれい!」と喜んで見てくれます。アーティストならではの世界観で素晴らしい風景が描かれているので、目で見ることで子どもの素直な感性にダイレクトに響くのではないかなと思います。


布、糸、ビーズやクリスタルで織りなされている。『銀河鉄道の夜』(著・宮沢賢治・清川あさみ/リトル・モア)
布、糸、ビーズやクリスタルで織りなされている。『銀河鉄道の夜』(著・宮沢賢治・清川あさみ/リトル・モア)

―― お子さんは1歳から6歳まで、きょうだいで年齢が離れていますが、一緒に楽しめますか?

友利 あえて一緒に見せるようにしています。1歳でも挿絵の美しさは分かると思いますし、本人も「わあ!」と目を輝かせて見てくれています。きょうだい3人が一緒に楽しめるところがいいですね。

 『銀河鉄道の夜』は絵本だけではなく、「Audible(オーディブル)版」というオーディオブックを聞かせたりもしています。プロのナレーターが朗読したもので、音声が子どもの想像力をかき立ててくれるようです。ズボラかもしれないですが、寝る前の読み聞かせの代わりにもなっています。

―― 医師である友利さんおすすめの理系コンテンツは何でしょうか。