中学受験の過熱感が強まり、世の中に情報があふれています。一方で、「自分が10代のころは主流だった高校受験の現状がよく分からない」と感じている親は多いのではないでしょうか。そこで本連載では、わが子の高校受験に挑んだ先輩親に、今の高校受験事情を根掘り葉掘り聞いていきます。第4弾で紹介するのは、転勤族の家庭の第2子の長女が埼玉県の県立トップ高校の1つ、浦和第一女子高校に入学するまでの物語です。

【前編】埼玉県立御三家高に合格 兄より内申が上回った理由は ←今回はココ
【後編】高校はあくまでも人生の通過点 受験の合否関係ない

《プロフィール&共通データ》

母:あゆみさん(仮名・IT関係)

長女:マナさん(仮名・埼玉県立浦和第一女子高校に在学)

【家族】
父(メーカー勤務)
兄(地方公立高校を経て、国立大学3年生)

【通塾】
中1~受験まで 通信教育(進研ゼミ)
中3夏~受験まで 進学塾(臨海セミナー)

【受験校】(◎は進学した高校 ○は合格した高校)
埼玉県立浦和第一女子高校 ◎
私立 淑徳与野高校○
私立 栄東高校○

【受験勉強関連の出費】
約39万円(進学塾、通信教育、英検テキスト・アプリ)

【高校受験以前の学習、習い事】 
こどもちゃれんじ・進研ゼミ(年少~小6)
ダンス(年長~小6)
水泳(小1~小5)
ピアノ(小2~小6)
チャレンジイングリッシュ(小5~小6)

転勤族&好きなことを優先したい事情から兄妹とも受験は高校で

日経xwoman編集部(以下、略) 今年の春、お兄さんが国立大学の3年生、妹のマナさんが高校1年生になったと伺いました。

あゆみさん(以下、あゆみ) はい、うちは夫が転勤族で、数年後に日本のどこに行くか分からない日々を過ごしてきました。今は長男は都内の国立大学に、マナは埼玉の高校に通っています。

── 小学校時代、マナさんはどんなお子さんでしたか?

あゆみ マナは元気なタイプで、ダンスや水泳、ピアノをがんばっていました。ただ、転勤が多く、引っ越し先では、前の小学校の授業の単元とずれていて、困ることも……。そのため、進研ゼミの教材を自宅で取り組ませていました

 長男はコツコツタイプで添削課題もしっかり出すのですが、マナは私が「ちゃんと出しなさい、出さないとやめるよ」と言うまで、なかなか出さないタイプ(笑)。でも、進研ゼミの付録が楽しみでやめたくなかったようで、なんとか続けられました。そのおかげか、引っ越しをしても、学校のテストでは比較的点が取れていました。

── 中学受験は考えたことがありますか?

あゆみ 転勤の可能性が高かったので、中学受験を考えたことはありませんでした。長男のときにしようかと思ったこともありましたが、私自身の仕事と子育て、転勤の可能性……と考えることがいっぱいで、勉強のフォローができないだろうと思ってやめました。

 マナは、小学校時代は習い事をめいっぱい楽しんでいたので、それらを受験で中断させるのはもったいないと、高校受験をすることにしました。

── お子さんたちは中学での成績はいかがでしたか。

あゆみ 長男とマナを比べると、定期テストの点数はだいたい同じか、長男のほうがよかったくらいです。ただ、内申点はマナのほうがよかったです。それは、性格の違いが大きく影響しているのだと思います

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