育休明けは時短勤務で復帰。2人目はフルタイムで復帰するかも

―― 産後の過ごし方は、どうしましたか?

村松 退院後は2週間ぐらい、母が関西から来てケアしてくれました。私の周りでは里帰りする友達が多かったので、自分も里帰りするのかな、と思っていたのですが、母に相談したら「行くよ」と言ってくれて。

 理由を聞いたら、「生まれてすぐの時期が、一番育児に慣れていなくて大変。すごくかわいい貴重な新生児のときでもあるから、その時期を夫婦で一緒に経験することが、家族にとってすごくいいと思う」と言われたんです。

 母は近くのホテルに宿泊していたので、夜は夫婦で息子の世話をしました。なかなか寝ついてくれなくて、2人で交代で抱っこしながら寝かしつけたり、「ミルクかな? おむつかな?」と悩んだり。そういう、お互いに全然分からない状態を一緒に過ごしたことが、結果として、すごくよかったです。

取材には、1歳の息子さんも同席
取材には、1歳の息子さんも同席

―― どういうところが、具体的に良かったと思っていますか?

村松 今、夫は育児に主体的に関わっていますが、それは、そのときの経験があるからではないかと思っています。夫婦で育児をする中でも、私に「これって、どうするの?」と聞いてくるのではなくて、一緒に解明する、学ぶという意識があるんです。

 里帰りしていたら、自宅に戻ったときに私のほうが息子について詳しい状態になって、夫にレクチャーするという感じになっていたんじゃないかと思います。そうなると、先輩、後輩みたいな関係性になりがちですよね。

―― 確かに、そういう部分はあるかもしれませんね。その後は、時短勤務で仕事に復帰していますが、フルタイムで復帰しようとは思わなかったのですか?

村松 夫が転職してまだ1年余りで、今が頑張りどきだと思い、家庭との両立を考え、時短勤務でスタートしようと決めました。でも、もしも私がどうしてもフルタイムで勤務したいと言えば、夫は一緒にそうできる道を模索してくれるタイプだと思います。もしかしたら、2人目のときにはフルタイムで復帰するかもしれません。その場合は、夫にも育休を取ってほしいと相談する可能性はありますね。

―― 子どもが生まれたことで、以前と変わったことはありますか?

村松 私は、漠然と、子どもが生まれたら子どもがメインで、仕事は二の次になるかと思っていたんです。でも、実際に生まれてみると、「息子にとってどういう母親でいたいか」ということを考えるようになりました。逆に、やりがいのある仕事をしたいと、強く思うようになったのです。

 そんなふうに思うようになるなんて、生まれる前は予測していなかったので、自分でも意外でした。おそらく、産休中から、マーケティングのスキルアップのためにオンラインでWEBデザインのスクールに通ったり、育休中にはインターンをしたり自己分析の本をいろいろ読んだりして、自分が何をやりたいのか「キャリアの棚卸し」をしたためだと思います。