自身が39歳、子どもが3歳のときに乳がんを告知され、右乳腺全切除・再建手術を行ったライターの藍原育子さん。前回は「がん治療中の子育て」についてお伝えしました。

今回のテーマは「がん告知後の夫婦の関係」について。がんの告知前から産後クライシスだったという夫婦関係は、がん治療を経てどのように変わっていったのでしょうか。また、がん治療中の人が抱える悩みについて、国立がん研究センター東病院でがん患者の生活全般に関する支援を行う、坂本はと恵さんにQ&A形式で話を聞きました。

平日はほぼワンオペ育児。そこに告げられた「がん」

 がんを告知された当時、娘は3歳。朝起こしてご飯を食べさせ、保育園の支度をするのは私。夫は、娘を保育園に連れて行き、家に戻ってもう一度睡眠をとり昼すぎに出社。帰宅は深夜になることも多く、夜の家事育児はほぼ頼れませんでした。たまに早く帰ってくることがあってもそれはそれで「パパが帰ってきた!」と娘が興奮するのでかえって寝かしつけが長引く……という悪循環。

 こうした生活が産後からずっと続いていました。出産してから何度も「もう少し家事育児を分担できないか」「私の負担が大き過ぎる」と話し合いをしましたが、出版社勤務の夫は「編集部は午後から稼働するので夜型のサイクルは変えられない」「平日はできないけれど土日は家事育児にも協力している」と言い、話し合いは平行線のまま。

 同業者なので仕事環境については理解するしかなく、また夫に対して「会社に求められていて居場所があってうらやましい」と妬む気持ちや「私は産後こんなにやることが増えたのに、あなたはちっとも変わらない」と腹立たしく思う気持ちがありました。また、夫は夫で常にイライラしている私にへきえきしているようでした。

 がんを告げられたのは、そんな産後クライシスまっただ中の頃でした

画像はイメージ
画像はイメージ

次ページから読める内容

  • 退院後待っていたのはいつも通りの家事・育児
  • 落ち込みから立ち直れず精神腫瘍科を受診
  • 心に抱えていた「本当の気持ち」に気づく
  • オープンクエスチョンの会話を心がけた
  • がん治療を機に向き合った夫婦関係

続きは、日経xwoman登録会員の方がご覧いただけます

ログインはこちら
もっと見る