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フィンランド 女性政治家比率の際立った高さの背景

【最終回】「僕、男の子だけど、党首や首相になれるのかな」と男子が不安に思うほどに、政治の世界で女性たちが活躍。ジェンダー先進国の事情をリポート


党首選後に産休を取ると表明した女性が党首に再選

 日本で内閣が替わるたび、SNSではフィンランドの連立政権を担う5党党首の写真が比較で流れてきます。5人は全員女性、うち4人は30代。国会議員全体では女性は約46%ですが、今は女性が党首を務めている政党が与野党含めて多く、内閣の顔ぶれも半分以上が女性です。クオータ制はなく、女性の社会進出と共に、少しずつ女性政治家の比率が増えていきました。

サンナ・マリン首相(左写真左と、右写真中央)と連立政権与党のリーダーたち。( 左)Sanna Marin / Instagram、(右)Finnish Government
サンナ・マリン首相(左写真左と、右写真中央)と連立政権与党のリーダーたち。( 左)Sanna Marin / Instagram、(右)Finnish Government
サンナ・マリン首相(左写真左と、右写真中央)と連立政権与党のリーダーたち。( 左)Sanna Marin / Instagram、(右)Finnish Government

 そのうちの一人、緑の党の党首で内務大臣を務めるマリア・オヒサロ氏が、11月から産休・育休に入ります。彼女は夏前に党首続投を目指して党首選に出ることを表明し、同時に涙ながらに妊娠と、党首選後に産休を取る計画を語りました。その涙は、待望の妊娠への喜びにあふれたもので、会見直後から政治家仲間や支持者からのお祝いコメントが相次ぎました。

 その後、彼女の希望通り党首続投が決定。ただ、現実的には産休・育休中は今のように活動することは無理です。その間、大臣職は代理を任命し、党内のかじ取りに関しては、複数の副党首の中から選ばれた人が代理を務めます。今回、代理に選ばれたのは国会議員1期目の27歳の女性議員でした。フィンランドでは早ければ10代からサークル活動のように政党活動に参加する学生も珍しくありません。今回選ばれた議員も国会議員になる前から党の青年部で頭角を現し、彼女の頭脳と政治家としての才能は、誰もが一目をおく存在となっていました。

 ちなみに産休に入るオヒサロ大臣は、幼い頃、母親と共に保護シェルターで過ごしたこともあり、経済的にも家庭的にも恵まれた環境にはありませんでした。しかし、母親の励ましと周囲の人間関係に恵まれ、陸上競技で国内トップレベルの活躍をし、学力面でも貧困研究で博士号も取得しています。同じくサンナ・マリン首相も経済的に恵まれない家庭出身で、同性カップルのもとで育ちました。多様な背景を持つ党首たちは、この1年半の間に3人が産休・育休を取得しています。

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  • 優秀なら女性で若くてもトップに起用される
  • ジェンダー平等進めるのは「女性がかわいそうだから」ではない
  • 性別に関わらず自分の自由な意思で生き方の選択ができる

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堀内都喜子
堀内都喜子

長野県生まれ。フィンランド・ユヴァスキュラ大学大学院で修士号を取得。フィンランド系企業を経て、現在はフィンランド大使館で広報の仕事に携わる。著書に『フィンランド 豊かさのメソッド』(集英社)『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』(ポプラ社)がある。

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