親は不安、でも子どもたちは喜んでいる
二人の小学生の男の子を持つパリ郊外に住む友人のサンドリンは言います。
「休校時のオンライン授業を先生たちはよくやってくれたと思う。学校の再開は良いことだけれど、小さな子どもたちにお互い距離を保て、物に触るな、と言うのは全く不条理ね。息子たちはグループに分けられ週に2日通っているけれど、宿題もないし、現状は学校ではなく託児所へ行っているみたい。問題は給食! 子どもたちの学校では使い捨ての容器で冷たい食事が提供されるだけ。普通の食器を60度で洗えばいいことではない? 給食を食べる部屋には二人ごと入って、食べて、二人ごと出る……と、まるで羊ね。
それでも子どもたちは、ウイルスを怖がるどころか、学校へ行くのがうれしくてしょうがないの。友達と会えることがね! 家庭医が子どもたちを学校へ行かせたほうがよいと私を勇気づけてくれたのよ、自分の子どもたちも行かせると言って」
しかし、サンドリンの友達でもあるローラは言います。
「この状況で学校再開なんて全く受け入れられないことだわ。私の15歳と4歳の子どもは9月の新年度まで通学させないつもり。長男のオンライン授業もスムーズで自主的に勉強もしているので授業の遅れの心配もないし」
ちなみにローラは国内でも特に感染者の多いミュルーズに近いアルザス地方在住。
「もちろん子どもたちは学校へ行くことをとても楽しみにしているわ、友達に会うことを。ともあれ今は外出制限が緩和されたので、規則を守り気を付けながら彼らと外で多くのときを過ごしたいと思っているの。コンピューターとばかり過ごしていた日々だったのでね」
また小学生の男の子と女の子を持つリラは「学校が始まるのは良いことだと思うけれど、各校長の絶大な努力が必要でしょうね。オンライン授業の仕組みがあっても何もしてくれない先生もいたり、きょうだいでコンピューターの取り合いっこになったり、プリンターを買わなくてはならなかったり、なかなか大変だったわ。娘は学校がやっと始まったところでとても幸せそう。息子も始まるのを今か今かと心待ちにしているわ」と話します。
子どもたちは本当に学校が好きで、行けるようになるのは何より。けれど親たちが子どものために、学校に行けない現実に焦りを持つのはやめたほうがいいと感じます。焦ってもどこへも行き着きません。