日本人が多く暮らす米国。新型コロナウイルスの感染拡大の被害が大きい東海岸のニュージャージー(NJ)州にあり、9割を駐在員家族が占める私立日本人学校では、4月からオンライン授業をスタート。日本の教科書や学習指導要領に沿った、日本人の先生によるオンライン授業は、コロナ休校で教育環境がなかなか整わない日本の教育関係者も注目しているといいます。前回の記事に続き、「駐夫」連載でおなじみの小西一禎さんが、先進的なオンライン授業の様子をリポートします。

半年間も学校に通えない

 新型コロナウイルスによる被害が深刻な米国には、他のどの国よりも多い約45万人(外務省調べ)の日本人が暮らしています。全米各地に、駐在や留学で滞在している家族、永住組の家族らがいて、先行きが見通せない毎日を過ごしています。中には、米国を離れ、日本に一時退避した人たちもいますが、大半は米国に残り、感染の恐怖や子どもの教育への不安を抱えながら、生活しています。

 米国内の感染者数はニューヨーク(NY)州が最も多く、私が住む隣のNJ州が2番目です。両州は学年末となる6月下旬まで学校を閉鎖することを決めました。その後は夏休みに入り、例年通りなら新しい学年は9月中旬に始まりますが、その時期に学校が再開されるかは現時点で誰も分かりません。いずれも3月中旬から学校閉鎖を続けていますから、少なくとも半年間、子どもたちは学校に通えなくなりました。同様の措置を決めている州は他にもあります。

オンライン学習開始から約2カ月、マンネリ感も

 前回の記事では、わが子が通う現地校でのオンライン学習に関する様子をお伝えしました。小学生の長女、幼稚園児の長男は、パソコンやiPadをすっかり手慣れた様子で自由自在に操作しながら、学習に取り組んでいます。ただ、スタートから約2カ月がたち、少しばかり飽きている、マンネリ感が出ている印象はどうしても否めません。