モンテッソーリ教育を実践する幼稚園は引き続き、オンライン授業を続けてくれています。一方、小学校は予定がずれ込み、双方向のライブ・ビデオ授業がまだ始まっていません。担任の先生が毎朝、保護者・児童との連絡専用アプリ「Seesaw」を通じて、その日の課題を指定し、アプリやサイトと向き合って、問題を解き、オンラインで提出するスタイルが続いています。先生や友達の姿が見えず、ネーティブの生きた英語に接する機会は失われたままです。

 友達に会えない、先生に直接教えてもらえない、グラウンドで遊べない。スクリーン越しの勉強を余儀なくされる子どもはもとより、在宅勤務や家事に追われながら自宅で先生役を務めざるを得ない親にとっても、自宅生活が長期化するにつれ、じわじわと影響が出ています。

 長女は、疑問点や英文の解釈で分からない点があれば、その都度、家事をしている私や、自宅勤務中の妻に助けを求めます。簡単な質問は私に投げかけるものの、発音を録音して提出する課題、英文で執筆する日記などについては、一直線に妻の元に駆け寄っていきます。小中高の教員免許を保有している妻のほうが、子どもへの教え方のみならず、英語力も上であることをすっかり見抜き、「うまく」使い分けているのでしょう。仕事を中断させられる妻は「仕方ない」とこぼしつつ、手取り足取り教えています。

双方向の「完全ライブ授業」をスタート

 そんな中、親子ともども大変助けられているのが、昨年9月から土曜日にお世話になっている日本人学校の存在です。長女、長男が昨年8月まで月曜から金曜までの平日に通っていた私立の「ニューヨーク育英学園」は、週末の土日は現地校に通う子どもたちの補習校となります。平日は英語漬けの児童たちに対し、平日通学の「全日制」同様、日本の学習指導要領に沿ったカリキュラムを提供しています。

ニューヨーク育英学園の校舎(米・ニュージャージー州)
ニューヨーク育英学園の校舎(米・ニュージャージー州)

 そして、平日通学、土日週末校とも双方向の「完全ライブ授業」を既にスタートさせ、3学期制の下、日本人の先生が、日本の教科書を用いて、日本語で児童と画面越しに向き合っています。幼児に対しては、朝の会や工作・歌の時間、帰りの会などを展開、ホームページには、先生によるダンスや折り紙、あやとりなどの動画をアップし、いつでもアクセスできるようにしています。