今回は、新型コロナウイルスの被害の特に⼤きいイタリアの状況です。小1の娘を育てる、現地在住ライターの佐藤モカさんが厳しい外出制限やそれに伴う子どもたちのオンライン学習状況の変化などについて伝えます(4月25日時点の情報に基づいています)。

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新型コロナウイルスの脅威に直面した国

 ヨーロッパで最も激しい新型コロナウイルスの脅威に直面した国、イタリア。これまでの感染者数は19万人以上、死者は既に2万5000人を超えており、その数は今この瞬間も増え続けています。北イタリアの一部の地域で限定的な外出禁止令が出た日から、生活のすべてが様変わりするまで、本当にあっという間の出来事でした。5月から少しずつ規制が緩和されるとの情報もありますが、これまでを振り返ってみます。

 中部イタリア・トスカーナ州に住む私たちの元に、3月4日の夜、明日から全国の学校が休校になるというニュースが突然届きました。この段階ではまだ10日間の休校ということになっており、教科書やノートなどもすべて学校に置きっぱなしのまま。子どもたちにとっては降って湧いたお休みのようなもので、わが家でも最初の3日間ほどは友達の家で遊ぶなど、普段とさほど変わりない生活を続けていました。

 しかしそれから1週間もたたないうちに移動や外出が厳しく制限され、休校が長期化することになったため、娘が通う小学校では2日間限定で学校の門を開き、保護者が自宅学習に必要な物を取りに行くことができるようにしました。

 日本でLINEを使う人が多いように、イタリアではWhatsAppという無料アプリが広く普及しており、もともと保護者間の連絡はこのアプリのグループチャットを用いていました。休校後はこのグループチャットに、保護者代表を通して担任の先生たちからビデオメッセージや宿題の画像などが毎日送られてくるようになりました

自宅学習はタブレット、スマホ、PCなどを活用している
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