休校開始前に渡された大量の家庭学習教材

 休校直前の最後の登校日、長男の先生から、分厚いファイルと教材一式の入った、重たい袋が手渡されました。当初予定されていた休校期間2週間分の教材です。この教材が終わる前に、休校延長分の課題も郵送で届きました。

先生から送られてきた、自宅学習スケジュール
先生から送られてきた、自宅学習スケジュール

 ほとんどの小学校がこのように、アナログの教材を配布し、オンライン授業が提供されるのは少数です。また、課題の量も学校や先生によってまちまちです。長男の先生は、1日2~3時間の勉強を必須としていますが、別のクラスでは、1日15分ほどで終わる教材しか与えられていないところもあるようで、学力格差が懸念されています。


ドイツ語と算数の教科書の勉強とプリントに加え、読書課題も課せられました
ドイツ語と算数の教科書の勉強とプリントに加え、読書課題も課せられました

 また、先生と密に連絡を取るクラスもあれば、ほぼ音信不通の場合もあります。長男の先生は、メールとWhatsApp(メッセージアプリ)グループで週1~3回ほど短いメッセージを送りますが、課題の進捗についてはほぼノータッチです。希望者は、先生にメールや手紙を出すこともできますが、大量の課題をこなすのに時間がかかり、あまり時間は取れないのが現状です。

 当初わが家は、この課題の分量に、頭を抱えました。下に5歳と1歳の弟妹がいる中、どうやって遊びたい盛りの長男に、良質な学習時間を確保できるというのでしょう。傍らで在宅ワークなど、不可能なことに思われました。こうして、3週間前に突然始まった休校と外出制限により、わが家の生活リズムは180度変わりました。

生活の最優先事項は、長男の学習時間確保

 不安だらけでスタートした、わが家の家庭学習&在宅ワークも、3週間たって次第にリズムができてきました。

 まず生活の最優先事項は、長男の学習時間を1日2~3時間確保すること。これに加えて、1日最低1回の散歩は、子どもたちのストレス発散と健康のために欠かせません。一方、仕事時間は、子どもの睡眠中と外出中しか取れません。勉強を主軸にした1日のスケジュールは、以下のように落ち着いてきました。

午前:読書課題、ドイツ語課題、散歩
午後:日本語の勉強(長男&次男)、算数課題、習い事のオンラインレッスン、散歩
夕方:ピアノ、読書課題
※「課題」=学校からの教材

 午前中は、夫が学校の先生役(長男に勉強を教える)、私が保育士役(次男と娘が勉強の邪魔をしないよう面倒を見る)を務めます。昼頃、家族で近くの広い公園に出かけ、自転車や鬼ごっこなどで体を動かした後、途中で娘をバギーで寝かせると、親の手が少し空きます。

 この娘の昼寝時間を利用して、夫は数時間別室で仕事をするか、職場に出勤すると、今度は私が先生役を務める番です。長男と次男を並べて日本語の勉強をさせた後、次男が迷路やお絵描きをしている間に、長男に算数を教えます。小学校3年生の算数は文章題が多く、かなりの語学力が要求されます。週3回はピアノや日本語のオンラインレッスンがあり、単調な生活へのメリハリとなっています。長男の勉強が終わると、男子2人はレゴブロックやミニカーなどで仲よく遊ぶので、その間に夕食の準備を済ませます。

 娘が昼寝から起きると、親戚や友達とテレビ電話をしたり、みんなでお菓子作りをしたり、再び散歩に行ったりします。このとき夫が3人を散歩に連れ出し、私の仕事時間をつくってくれることもあり、とても助かっています。

ドイツ語学習中の長男(左)、ドナウ河の夕日を眺める、夕方の散歩のひと時(右)
ドイツ語学習中の長男(左)、ドナウ河の夕日を眺める、夕方の散歩のひと時(右)
ドイツ語学習中の長男(左)、ドナウ河の夕日を眺める、夕方の散歩のひと時(右)

 子どもたちが寝静まった後が、親の第2の仕事時間。寝かしつけを交代で担当することで、お互いが長めに机に向かえるよう、工夫しました。

 このリズムで、夫も私も必要な時間は確保できています。ただ、一日子どもたちと走り回って疲れ切り、思うように夜に仕事ができない日もあり、まさに親の仕事の優先順位は、時間的にも体力的にも、一番下になってしまっていると痛感しています。そうは言うものの、親自身が睡眠不足、体力不足だと、子どもたちと過ごす時間のクオリティーが下がってしまいますので、仕事の少ない日は、割り切って寝落ちもOKとしています