2021年6月、育児・介護休業法の改正法が成立し、男性育休がより取得しやすくなりました。かつての「ママのワンオペ」が当たり前のように見られた時代から、少しずつですが着実に、「パパが主体的に育児する」時代へと歩みを進めています。

新型コロナウイルスによって働き方も見直され、それぞれの家庭が自分たちに合った家族の在り方を追求するようにもなりました。本連載では、そんな多様化するパパやその家族の今に迫ります。第5回は、都内で人材関連の仕事をしている会社員、山本雄二(仮名)さんの価値観が大きく変わった出来事について聞きました。

■今回のパパ
山本雄二さん 36歳
人材関連会社の営業 会社員

■家族構成
妻 36歳 福祉系企業の人事 会社員
長男7歳 次男1歳

夫婦関係を「当たり前」にしない

 結婚前、山本さん夫妻は、ともに激務に追われてすれ違いの日々を過ごしていました。別れの危機を感じていた二人は、一緒にコーチングを学び始め、次第に関係も改善。2012年に結婚し、二人の子宝に恵まれました。

 「妻とは本当によく話します。夫婦といえども、もともと他人であり、いい関係を続けるためには努力やメンテナンスが必要だという考えを共有しているので、お互いの“こうありたい人生”をすり合わせしています。家事や育児もそうですが、夫婦の関係も日常を送っているうちに意識しなくなりがちです。『一緒にいられることを当たり前だと考えてはいけない』と、常に話し合っています」

 向上心があり、情報を集めたり学んだりすることに積極的。そんな共通点がある二人は、妻が妊娠したときも二人で検診に行き、うまく育休を取るコツを知るためにNPOが主催するセミナーにも夫婦で参加しました。

 山本さんはエコー写真に写った小さな赤ちゃんの姿に感動し、出産前の準備から熱心に取り組みました。生まれてからも、家事はフィフティーフィフティーで分担し、保育園のお迎えを担当したり、お互いのキャリアの踏ん張り時には順番に支え合ったりして、夫婦で育児に取り組んできたそうです。