2021年6月、育児・介護休業法の改正法が成立し、男性育休がより取得されやすくなりました。かつての「ママのワンオペ」が当たり前のように見られた時代から、少しずつですが着実に、「パパが主体的に育児する」時代へと歩みを進めています。

コロナ禍によって働き方も見直され、それぞれの家庭が自分たちに合った家族の在り方を追求するようにもなりました。本連載では、そんな多様化するパパやその家族の今に迫ります。第3回は、神奈川県川崎市から移住し、長野県佐久穂町で「カレー屋ヒゲめがね」を営む豊田陽介さん。後編では、移住から1年がたった今に迫りました。

豊田さんの「Iターン&教育移住」ストーリー
【前編】独立&教育移住のきっかけは1年間のパパ育休だった
【後編】パパの挑戦がママにも伝播 移住後の長男の変化と成長 ←今回はココ

■今回のパパ
豊田陽介さん 41歳
「カレー屋ヒゲめがね」店主

■家族構成
妻 カレー店 雑貨販売
長男11歳 長女6歳 次女3歳

飛び込んでみたら“ファーストペンギン”だった

 勤めていた会社を辞め、家族で長野県へ移住。2020年6月に週4回ランチのみ営業をする「カレー屋ヒゲめがね」を開業した豊田さん。それから1年3カ月ほどたちますが、営業の状況、そして暮らしぶりはどうなのでしょうか?

 「都心のように人口が多いわけではないですが、飲食店が多くないこともあって、おかげさまでお店は割と順調です。余裕があるとまでは言いませんが(笑)。

 お店にしても移住にしても、最初に動いたことのメリットを感じることが多いです。ペンギンの群れで最初に海に飛び込む、“ファーストペンギン”的な立ち位置かもしれません。お店もオープンしたときから注目してもらって地元のメディアに取り上げてもらえました」

 もともと安定志向で冒険をしないスタンスだったという豊田さんですが、思い返してみれば移住だけでなく、会社で初めての長期育休や二拠点生活など、いつの間にか次々と新しい海へ飛び込むファーストペンギンになっていたようです。そして、今はその状況を楽しんでいる様子が印象的でした。