2021年6月、育児・介護休業法の改正法が成立し、男性育休がより取得されやすくなりました。かつての「ママのワンオペ」が当たり前のように見られた時代から、少しずつですが着実に、「パパが主体的に育児をする」時代へと歩みを進めています。

コロナ禍によって働き方も見直され、それぞれの家庭が自分たちに合った家族の在り方を追求するようにもなりました。本連載では、そんな多様化するパパやその家族の今に迫ります。第2回は、愛知県名古屋市で営業やマーケティングの仕事をしていた近藤将也さん(今年8月に起業)が「自立したパパ」に生まれ変わった背景について聞きました。

■今回のパパ
近藤将也さん 39歳
会社経営(KikkA合同会社)

■家族構成
妻 社会保険労務士 38歳
長男10歳 長女8歳
近藤さんご一家。とても仲むつまじいが、以前は夫婦間で言い争いになることもあった
近藤さんご一家。とても仲むつまじいが、以前は夫婦間で言い争いになることもあった

「育児はやる」が、「家事は妻」と思っていた

 近藤さん一家は、共働きの夫婦と一男一女の子どもという、ごく一般的な共働き家庭。近藤さんと妻は前職の同期という関係で、結婚を機に東京から近藤さんの地元である名古屋に引っ越しました。

 近藤さんは、もともと育児には積極的だったそうです。

 「自分の父がよく子どもを連れて出かけるタイプだったので、自分自身も父親になった時に、育児には主体的に関わりたいと思いました。勤めていた会社が学校のPTAや保育園の保護者会などに参加することを推奨していたこともあり、小学校ではPTA副会長を4年間務め、行事にもたくさん参加してきました。

 周りにはパパが少なかったので、もっとみんな参加すればいいのに、と思っていました。娘の友達からバレンタインデーにチョコをもらったのは、本当にうれしかったですね(笑)。それだけ子育てに関わってきたからこそだと思っています」

 当時から週末には子どもと出かけたり、習い事の送り迎えをしたりしていたとのこと。その一方、家事については消極的だったそうです。

 「平日でも洗濯や子どもをお風呂に入れたり洗い物をしたりと、全くやっていなかったわけではありませんが、しぶしぶという感じで、前向きではありませんでした。妻からはもっとやってほしいと言われ続けていたものの、『俺だってやってるじゃん!』と言い返すこともあって、衝突することもしばしば(苦笑)。

 そもそも平日は帰りが遅かったですし、週末もできる範囲でやっていると思っていましたから、言われてもあまりピンときていなかったんです。今振り返ると、自分の中で“家事は妻がやるもの”と決めつけていたんだと思います」