コロナで激務となった妻、フルリモートになった近藤さん

 転機となったのは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて全国に緊急事態宣言が発令された2020年4月。会社はフルタイムの在宅勤務となり、宣言が明けた後も週に1回程度の出勤という働き方に変わりました。

 一方で、社労士の妻は助成金などの業務が次から次へと舞い込み、それまでとは比にならないほどの激務に。夫婦の勤務時間や家にいられる時間は、それまでとほぼ逆転しました。物理的に、近藤さんが育児も家事もかなりの部分をやらなければいけなくなったのです。

 「最初は抵抗がありましたけど、そうも言っていられない状況でした。その時に改めて考えてみて、家庭を回していくためには夫婦両方が家事育児をできたほうがリスクヘッジにもなるし、やれるほうがやればいいと思えるようになったんです。

 また、個人的な感覚として仕事だけできていればいいとは思わなくなり、妻がいないと生活が回らないことがカッコ悪いとも考えるようになりました」

 実は、近藤さんはもともと料理に苦手意識がありました。独身の一人暮らし時代の食事はほぼ外食かテークアウトで済ませていたそうです。しかし、子どもたちもいる以上、作らないわけにもいきません。

 最初はレトルトや温めるだけのものからスタートし、少しずつ包丁を使った料理へとステップアップしていきました。すると、料理が苦手だったのに、やってみるとさまざまな発見があった、といいます。

近藤さんが作ったピーマンの肉詰め。最初はレトルトからスタートしたが、徐々に凝った料理も作れるように
近藤さんが作ったピーマンの肉詰め。最初はレトルトからスタートしたが、徐々に凝った料理も作れるように