昨年、育児・介護休業法の改正法が成立し、男性育休がより取得されやすくなりました。かつての「ママのワンオペ」が当たり前のように見られた時代から、少しずつですが、着実に「パパが主体的に育児する」時代へと歩みを進めています。

コロナ下で働き方も見直され、それぞれの家庭が自分たちに合った家族のあり方を追求するようになりました。そんな多様化するパパやその家族の今に迫る本連載。今回は、IT企業で働く黒田高史さんの、4人の子どもとの暮らしぶりとその背景にある思いを紹介します。

■今回のパパ
黒田高史さん 41歳
IT企業勤務

■家族構成
妻 38歳 保育団体代表
長男(小学5年生) 次男(小2) 長女(年中) 三男(1歳)

ザンビアで変わった「家族観」と「仕事観」

 信号が3つしかない人口約4000人の東北地方の村で育ったという黒田さん。大学入学と同時に上京し、新卒でIT系システム会社に就職しました。

 働き始めて数年がたったある日、黒田さんはある社会起業家の本に出会い、衝撃を受けたそうです。自分も社会課題を解決できる人間になるために、多様な経験が必要だと考え、環境も価値観も大きく異なる途上国に長く滞在する方法を探し始めました。

 そんなとき、電車の中づり広告でJICA(国際協力機構)の青年海外協力隊の募集を見かけた黒田さんは、すぐに心を決めて応募、ザンビアへ向かいました

 現地は、日本とはまったく異なる環境でした。電気は通っているものの停電は日常茶飯事。水道は雨期の間しか使えず、それも朝の1時間しか出なかったそうです。しかも、出るのは泥水だったとか。まさに日本では考えられない生活で、そういった状況については事前に聞いてはいたものの、聞くのと体験するのとは大違いでした。

 そこでは、「家族」や「働く」ということの価値観も、黒田さんにとって大きな影響を与えることになりました。

 「プライマリースクールという、日本でいう小・中学校のようなところで数学を教えていたので、子どもと触れ合う機会が多く、現地の言葉は逆に子どもたちから教えてもらいました。

 ザンビアでは、『家族』に対する考え方もまったく違いました。隣の家には子どもが10人もいる家族が住んでいたのですが、血のつながった子どももいればそうでない子どももいて、でもそんなことは関係なくお互いに助け合って暮らしていました。お金があるわけでもないのにそんな大家族で生活していて、でもすごく楽しそうで、幸せそうに見えました。

 そのときに考えたのは、日本では家族と過ごす時間が少なくて、いつも疲れた顔をして、働くことが家族のためになっていないのではないか、ということでした。でも、日本で家族との時間をしっかり作りながら働くことは難しくて、会社の空気や周囲に合わせるような働き方をしていたらとてもできない。どうすればそれができるのか、自分でやり方を模索するしかないと思いました」

次ページから読める内容

  • 「育児セミリタイア」の考え方に共感し、育休取得を決意
  • 「今日、お母さんはどうされましたか?」という男性育休あるある
  • 子どもたちと一緒に、自分も成長していきたい

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