2021年6月、育児・介護休業法の改正法が成立し、男性育休がより取得されやすくなりました。かつての「ママのワンオペ」が当たり前のように見られた時代から、少しずつですが、着実に「パパが主体的に育児する」時代へと歩みを進めています。

コロナ下で働き方も見直され、それぞれの家庭が自分たちに合った家族の在り方を追求するようにもなりました。そんな多様化するパパやその家族の今に迫る本連載。今回は、出版社で働く中村聡さん(仮名)が、うつ病を発症する中で迎えた第1子誕生をきっかけにして起きた、大きな変化について紹介します。

■今回のパパ
中村聡さん(仮名) 46歳
出版社 会社員(企画・編集)

■家族構成
妻 42歳 非正規社員(保育士)
長男 7歳(小学1年生)

目指したのは「完璧な子育て」

 幼い頃からこだわりが強く、やや神経質なところがあったという中村さん。近い気質を持った妻にシンパシーを感じたことから距離が縮まり、お付き合いが始まったそうです。

 一方で中村さんの妻は、繊細であるが故に社会生活になじめない部分があり、会社勤めをしても精神的に不調をきたして、休職を繰り返してきたといいます。その後、結婚した2人ですが、しばらくは妻の療養を優先して、当面子どもはつくらない方針でした。

 「自分が妻を支えなくては、という思いが強くありました。当時はその日のうちに帰れないケースが当たり前に続く激務だったので、仕事をしながら妻の面倒も見るのは大変でしたが、私も妻のために頑張ることが心の支えになっていた面がありました。

 今思えば健全な関係ではなく、共依存状態だったと思います」

 その後、妻の体調が落ち着いてきたこともあり妊活を開始。ほどなくして第1子を授かりました。

 「子どもができた時に考えたのは『完璧な子育てをしよう』ということでした。今思うと気が早い話なのですが、学校、習い事など、やるべきことをやるべきタイミングですべてこなして、自分たちが思い描いた道を歩いて行くようなイメージを抱いていました。

 完璧にこだわるようになったのは、社会人になってからだと思います。当時は自信がなくて、それを補うために与えられたことは完璧にこなそうとしていました。そうしないと評価されないとも感じていたのでしょう」

 ところが妻が妊娠三カ月を迎えたある日、中村さんの体に異変が起こります。

次ページから読める内容

  • ある日突然、起き上がれなくなった
  • 「不安だ」「できない」と弱音を吐けるように

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