職場のダイバーシティを経営に生かし、新しい市場の開拓や自社の差別化に取り組む企業が、少しずつ現れています。マイノリティーの人たちが既存の保険に入りづらい点に着目し、加入しやすい商品を独自に開発している、総合保険代理店のR&C代表取締役社長の足立哲真さんに、ダイバーシティを推進する意義について聞きました。

【上編】 少数派の声をもとに 保険代理店が新事業を開拓 ←今回はココ
【下編】 小さな気付きとチーム力で既存商品の壁をクリア

変化に適応できなければ生き残れないという決意

―― まず、ダイバーシティについて、保険業界の現状を教えてください。

足立さん(以下、敬称略):働く時間や場所を自分で決めやすいのが業界の特徴で、特に営業は、法人をターゲットにするなら平日中心、個人なら週末中心と、顧客を選ぶことでライフスタイルに合わせて働くことができます。決まった時間に毎日出社する必要のない会社も多く、当社もコロナ前から営業社員の出勤は週2日程度、出社時間もフレキシブルです。「働き方改革」と言われても、当たり前すぎてピンとこないくらいです。

―― ダイバーシティに取り組むきっかけは何だったのでしょうか。

足立:私は2014年2月に社長を引き継ぎましたが、当時会社は約2億円の負債を抱えていました。2月末の会社の口座残高は5万3219円で、その後数年は資金繰りに追われました。自転車操業の中で、社員が入っては辞めていくのを繰り返すうちに、社員の入れ替わりが激しい会社は、顧客を守れないと気づきました。

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  • 既存のもので解決できないなら作るしかない
  • 当事者の声を聞くことで初めて分かったこと
  • 経験に勝るものはない

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