もう少しで夏休み。今年も旅行や帰省を避けて、子どもと一緒に近くの公園で過ごす時間が増えるかもしれません。マンネリ化しがちな公園遊びでも、ちょっとした工夫で子どもの体や心、知能を刺激して、親の運動不足解消にもつなげることが可能です。今回から3回にわたって登場するのは、コーディスポーツ代表の寺尾大地さん。東京都の保育園・幼稚園の体操教室などで子どもたちを指導している他、自身も7歳・4歳・1歳の3児の共働きパパです。今回は、広い公園や、ちょっとした空き地・広場などで楽しめて、「運動が得意」につながる親子遊びを教えてもらいました。

公園遊びをする際は気温の高い時間帯を避け、こまめに水分補給をし、周囲に人がいないときは適宜マスクを外すなど、熱中症の予防に十分お気をつけください。

あえて後ろや横を向いて歩いてみる

 親子遊びで、子どもの「体」や「心」を上手に刺激するには、「いつもと違う動きをすること」がポイントだと寺尾大地さんはいいます。

 「普段は前を向いて歩いていますが、あえて後ろ向きに歩いたり、横を向いて歩いたりするだけで、味わえる感覚が変わり、脳の神経の刺激につながります。何もない草原を歩くと道ができるように、いつもと違う動きをいろいろすることで脳の神経回路がつながっていき、運動が得意になっていくと思いますよ

コーディスポーツ代表の寺尾大地さんと、小1の息子・ゆうすけくん。普段から実践しているという運動遊びを教えてもらいました
コーディスポーツ代表の寺尾大地さんと、小1の息子・ゆうすけくん。普段から実践しているという運動遊びを教えてもらいました

 外遊びの機会が減ったこの1年。運動に苦手意識を持っている子どももいるでしょう。まずは、運動に対しての「壁」をなくすところから始めたいと、寺尾さんは言います。

 「運動量が減ると、体を動かすことが難しくなり、走るのも苦手になってしまいます。『運動って得意な人がやるものでしょ』という壁をつくってしまう前に、普段の動きのなかで『こういう動きをしたら面白いかな』と家族で工夫をしてみてください。あえて変な動きも取り入れながら、『体を動かすのって、面白い!』と思ってもらえるといいですね

 実践するときは、親から「このように動きなさい」と指示するのではなく、子ども自身にも考えてもらうことが大事なポイント。寺尾さん自身が「楽しい」を文字で表現する際は、「心」という意味合いが含まれる「愉しい(たのしい)」の漢字を使うと言います。「心の中の不要なものを取り除いて、心から晴れ晴れと運動を楽しんでほしい」という思いからだそう。

 「どんな動きをしたら面白いか、子どもにどんどん発想してもらいましょう。自分で考えて、自分で動くようになっていきます。できた・できないで評価せず、親子で一緒にチャレンジして楽しんでください」

 次のページから、遊具のない公園やただの空き地でもできる「変な動き」や、公園の鉄棒を使ってできる「いつもと違った動き」などを紹介します。

次のページから紹介する遊び
●親子でタイミングを合わせてカニ歩き、後ろ歩き
●途中で段差を見つけたらいろいろジャンプ
●鉄棒が好きになる「つばめのポーズ」