春の日差しがふり注ぎ、公園遊びに絶好の季節。しかし遊具のある公園は密になりがちだし、かといって遊具のない公園では何をして遊べばいいか分からない……と頭を悩ませている家庭も少なくないのでは。この連載では、いつもの公園遊びに一工夫するだけで、子どもの体や心、知能を刺激し、パパの運動不足解消にもなるというアイデアをたっぷり紹介します。

今回から3回にわたって登場するのは、NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』で体操のお兄さんを14年間務めた「よしお兄さん」こと小林よしひささん。

2歳の子を育てるパパでもあるよしお兄さんの遊びは、楽しいだけでなく、子どもの持っている力を伸ばして心と体の成長を促してくれる仕掛けがいっぱい。パパと子どもの絆も深まります。

 こんにちは。小林よしひさです。わが家は公園の多い地域に住んでいるので、仕事が休みの日は、たいてい娘と一緒に公園に行きます。昼間家に僕がいると分かると、必ず「パパ、公園に行くよ!」と娘から指名されます(笑)。

 「公園は遊具で遊ぶところ」と思っているパパが多いかもしれませんが、うちは娘が2歳とまだ小さいこともあり、うまく遊べない遊具も多い。でも、広々とした敷地に青い空。もうこれだけで十分です。あとはアイデアさえあれば、遊具を使わなくても十分楽しく遊べます

ごっこ遊びの人気No.1「忍者ごっこ」

 今回紹介するのは、子どもたちが大好きな「ごっこあそび」です。ごっこ遊びのような「役になりきる」遊びは、子どもの発想力や表現力を高めます。お子さんだけでなく、必ずパパも一緒になりきってくださいね。「照れくさい」と感じるかもしれませんが、思い切ってなりきってしまったほうが逆に恥ずかしくありません。役になりきって物語の世界に入るRPG(ロールプレイングゲーム)だと思えば、少し抵抗がなくなるのではないでしょうか。

 最初は「忍者ごっこ」から始めましょう。『おかあさんといっしょ』でも忍者の歌やダンスは大人気でしたし、僕自身も子どものころ忍者になりたいと思っていました(笑)。

運動にもなる「忍者ごっこ」を次のページから紹介!
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 お子さんが4歳以上など自分の気持ちを話せる年齢なら、「どういう設定で忍者ごっこをやりたい?」と聞いてください。このときパパが誘導するのではなく、お子さん自身に決めてもらうのがポイントです。「敵と味方に分かれる?」「パパが忍者の先生役で○○ちゃんが生徒にする?」など質問を投げかけながら、でも最終的にどうするのかを決めるのはお子さんに任せるようにしましょう。

 そうすることでお子さんは、「主体的に遊びに取り組んでいる」という満足感を得ることができます。ではまず基本の「手裏剣を投げる」という動作を、親子でやってみましょう。

次のページから紹介する遊び
●忍者ごっこ…腰を落として手裏剣投げ、ジャンプで手裏剣投げ、全身を使って手裏剣を「よける」
●海賊ごっこ…船をこいで島に上陸、宝探しに出発!