オリンピック・パラリンピックで選手たちが世界の頂点を目指し競技する姿の裏には、本人の努力に加え、幼い頃からの親による絶妙なアシストがあるはずです。親はどのような距離感で子どもに関わり、どのようにサポートすれば、一流のスキルを身に付けることができるのでしょうか。また、各スポーツに取り組むことによって身に付く能力とは何でしょう。選手や監督、コーチに聞いていく本連載。今回は、子どもの習い事としても注目を集める「スポーツクライミング」で、ユース日本代表ヘッドコーチと強化副委員長を務める西谷善子さん(日本山岳・スポーツクライミング協会)に、ボルダリングなどスポーツクライミングによって得られるスキルなどについて聞きました。

中学生が世界で活躍! 日本はスポーツクライミング強豪国

写真はイメージ
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 「スポーツクライミング」とは、ホールドと呼ばれる壁についた突起物を使ってゴールを目指す競技です。ホールドには難易度に応じたカラーや数字などがついており、指定されたコースによって、決まったホールドだけを使って登っていきます。

 オリンピック・パラリンピックにおけるスポーツクライミングには3種目があり、そのうちの1つである「ボルダリング」は、ホールドの配置や傾斜の異なる複数の壁(高さ5m以下)に選手が1人ずつ挑戦し、最終的に制限時間内にクリアした壁の数で順位が決まります。ほかにも、高さ12m以上の壁を制限時間6分以内にどの高さまで登れるかを競う「リード」や、高さ15mの壁を登る速さを競う「スピード」もあり、3種目の総合順位を競い合います。

 3種目のうち、リードやスピードほど壁面が高くないボルダリングは、全国各地のクライミングジムに導入されており、手軽に始められることから、子どもの習い事としても注目されています。

 実は、日本はスポーツクライミングの強豪国。国際大会では男女共に表彰台の常連となっていますが、注目したいのが、若手選手の活躍です。今年8月に行われたリードの全国大会では、男子の優勝が17歳の西田秀聖選手、女子の優勝が17歳の森秋彩選手で、特に女子は決勝に進出した8人のうち、7人が10代の選手。こうした現状について、スポーツクライミングのユース日本代表ヘッドコーチで強化副委員長を務める西谷善子さんは、こう説明します。

「ユースの最高峰である世界ユース選手権にボルダリングが導入されたのは、2015年と比較的最近で、それ以前は、リードとスピードしか行われていませんでした。日本人選手はもともとリードを得意としていましたが、昨今のボルダリング人気によって、全国各地に民間ジムが増えました。それにより、もともとポテンシャルの高かった、17歳、18歳の選手たちの練習環境が整い、リード以外の競技でも好成績を残せるようになりました」

次ページから読める内容

  • 筋力だけじゃない、知力が求められる競技
  • 自分を客観的に俯瞰する力を身に付ける
  •  コミュニケーション力を身に付け、仲間を増やせる
  • 「一歩引いて寄り添う」ユースのトップ選手の親たち

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