オリンピック・パラリンピックで選手たちが世界の頂点を目指し競技する姿の裏には、どのような努力や親のサポートがあるのでしょう。今回話を聞いたのは、女子7人制ラグビーチームで活躍する長手美波選手(18)のお父さん、信行さんです。美波さんは高校まで陸上を続け、高校2年生のときに、陸上と並行して女子7人制ラグビーの選手となりました。高校3年生から「湘南ベルマーレ Bell7」に所属しています。本インタビューでは、スポーツ選手を育てる親ならではの「子育ての心得」について聞きました。

スポーツに打ち込むきょうだいの存在が刺激に

9人家族の長手さん一家。水色のパーカーを着ているのが中学生の頃の美波さん(左から2番目)。右上が父親の信行さん(画像提供:長手信行さん)
9人家族の長手さん一家。水色のパーカーを着ているのが中学生の頃の美波さん(左から2番目)。右上が父親の信行さん(画像提供:長手信行さん)

 幼い頃から走ることが大好きだった美波さん。小学5年生で陸上クラブに入り、中学、高校とも陸上を続け、高校の陸上部では短距離パートのキャプテンとしてチームを引っ張ってきました。

 長手家は子どもが4男3女の9人家族。長男(25歳)、次男(24歳)、三男(23歳)、長女(美波さん、18歳)、次女(16歳)、三女(14歳)、四男(10歳)で、きょうだい全員がスポーツ万能。ラグビーをはじめ、陸上、バトントワリングなどの競技にそれぞれ打ち込んでいます。

 美波さんがハードな練習を続けられたのは、同じようにスポーツに打ち込んできたきょうだいの存在が大きかったといいます。

 「上の子ども3人は全員が幼い頃からラグビーに触れていました。小・中学校でその楽しさを知り、高校・大学とラグビーに打ち込みました。美波は、兄たちの応援へ行くたび、泥んこになりながら必死にゴールを目指す姿に、何かを感じていたのでしょう。自分がスポーツを始めてからは、『兄貴のしんどさに比べたらこのくらいは当たり前』『兄貴にできることが、私にできないことはない』という気持ちがあったのだと思いますね」(長手信行さん)

ホワイトボードで各自のタスクを管理 自分のことは自分で

 母親の淳子さんは保育士で、信行さんは、30歳の頃から趣味でラグビーを始め、現在は関西ラグビーフットボール協会でラグビーの普及や指導に携わっています。親がフルタイムの共働きで子どもが7人となれば、家事や育児、スポーツなど、どのようにしてタスク管理をしているのかが気になります。子どもたちが小さい頃は、祖父・祖母のサポートもあったそうですが、現在はどうしているのでしょうか。

 「妻は美波に、小学生の頃から洗濯や料理などを教え、一人で練習場まで行けるようにバスの乗り方も練習させていました。中学生になれば勝手に練習や試合に行くようになるので、そこまで負担ではありませんでした。面倒見のいい子なので、よく妹や弟の世話などもしてくれていましたね」

長手家で各自のスケジュールを管理しているホワイトボード(画像提供:長手信行さん)
長手家で各自のスケジュールを管理しているホワイトボード(画像提供:長手信行さん)

 家族のタスク管理は、家のリビングにホワイトボードの行動予定表を置いて、家を出る時間や、ご飯がいるのかなどを必要に応じて書き込ませていたといいます。

 「それがないと、全員の行動を把握できないんですよ(笑)」

次ページから読める内容

  • 現場に行けなくても関心を示す。それも立派なサポート
  • ケガで練習ができない時期もあった。そのとき父は…
  • 陸上と並行して7人制ラグビーをスタート
  • 見守る姿勢が、子の自立心を養う

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