築地場外市場の鮮魚店『クリトモ商店』の社長で、プライベートでは小学校1年生の娘を育てる料理家の栗原友(クリトモ)さん。母である栗原はるみさんに幼い頃から料理を習ってきたクリトモさんは、食育についてどのような考えを持っているのでしょうか。

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両親の影響で豊かな味覚が育った

 こんにちは。料理家の栗原友ことクリトモです。今回は食育についてお話しします。まずは私が受けてきた食育について。

 私は両親が共働きだったため、少しでも手伝いをしようと、小学校低学年から母に教わって味噌汁を作っていました。最初は市販の顆粒(かりゅう)だしを使っていたのですが、母に「レベルアップしてみない?」と言われ、煮干しやこんぶでだしをとる方法を教えてもらったのを覚えています。

 味覚に関しては父の影響が大きいです。父は私が幼い頃から「この味を知っておきなさい」といろいろな食材や料理を食べさせてくれたのです。そのおかげで、子どもがあまり口にしないような大人の味覚や珍しい食材も食べてきました。

 その経験は今の仕事にとても役立っています。どこかで食べた味を再現して料理することは得意です。この調味料とあの調味料を足すと、こんな味になるだろうと想像してレシピを組み立てることもできます。また、料理では味をどんどん足したくなるかもしれませんが、おいしくとれただしや食材そのものの味を生かすためには、引き算が必要という感覚も持っています。