【栗原友 思うがままに生きてみようか】これまでのラインアップ
新連載読みどころ/栗原友 乳がん闘病経て仕事観に変化 ←今回はココ
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 料理家の栗原友さん(以下クリトモさん)は長女を保育園に送り届けると、東京・築地にある「クリトモ商店」に向かいます。そこはクリトモさんが昨年秋に夫と開店した鮮魚店。朝の3時頃から出社している夫はその日に出荷する魚をさばいている真っ最中で、スタッフも荷受けや出荷する魚の梱包などで忙しく立ち働いています。クリトモさんは、店の奥へ。企画を練ったり、経営状況を分析したりして夕方まで過ごします。

 日本を代表する料理研究家・栗原はるみさんの長女で、栗原心平さんの姉であるクリトモさん。自身もメディアで活躍、料理本も何冊も出していて、人気料理家のイメージがありますが、実は最近大きな心境の変化があったのだそう。

 「これからは自分が本当にしたいことをして生きていこうと思います」。料理の仕事も絞っていくといいます。

 「クリトモ商店を盛り上げるために、会社経営にもっと力を注ぎたいし、ファッションも楽しみたい。子どもにもしたいことをさせてあげたい」というクリトモさん。その背景には、2019年に手術をした乳がんの闘病体験があるそうです。今は寛解状態にありますが、闘病中は「人はいつ何があるか分からない」と強く感じたそう。「それなら後悔しないように、思うがままに生きてみたい

 その思いはファッションにも表れています。ピンクの髪に赤いネイル、スタッズがたくさんついたブーツ、というロックなスタイルが似合うクリトモさん。インタビューを受けながらも、店のスタッフの動きに目を配って、声を掛けたり、仕事を進めたりしていく姿はまさに頼れる経営者です。

 そんなクリトモさんが料理から鮮魚の仕事へとキャリアをシフトしようとしている真意や、夫との関係、食育や子育てについて、4月からスタートする新連載で聞いていきます。どうぞご期待ください。

栗原友さん。2020年秋にクリトモ商店を開店した際に贈られた張り子の鯛(たい)とともに
栗原友さん。2020年秋にクリトモ商店を開店した際に贈られた張り子の鯛(たい)とともに

取材・文/福本千秋(日経DUAL編集部) 撮影/花井智子