子どもたちがバラエティー番組の「ひな壇」タレントのように自由にトークを展開する「MC型授業」や、掃除の時間に曲を流し、サビでダンスを踊る「ダンシング掃除」など、斬新な授業が話題の東京学芸大学附属世田谷小学校の沼田晶弘先生。「ぬまっち」の愛称で知られ、著書やメディアで、そのユニークな授業や子どもの自主性を引き出すコツを発信しています。この連載では、ぬまっち先生に、親が気になることや家庭教育へのアドバイスを聞いていきます。

大切なのはほめる方法よりも「ほめられスキル」を伸ばすこと

 皆さん、はじめまして。沼田晶弘です。僕は東京学芸大学附属世田谷小学校で先生をしています。

 僕の授業は、子どもが自分から学ぶようになるとか、アクティブラーニングを実践しているとかで注目されたり、メディアで紹介されたりしています。確かにユニークな面があるかもしれません。

 なぜユニークな授業をしているかというと、子どもたちに僕の授業に興味を持ってほしいからです。でも、それは普通に授業をしているだけでは難しい。

 だって、思い出してみてください。読者の皆さんが小学生の時、時間割にある授業の全部が全部、「面白そう、早く受けたい」と思えるものでしたか? 決してそうではなかったのでは? 今の子どもたちにとってもそうです。面白い授業もあれば、興味の持てない授業があります。それが、学校というもの

 でもせっかく学校に来るなら、どの授業にも興味を持って、自分が好きなことを見つけるきっかけにしてほしいと、思うのです。だから、僕は子どもたちが興味を持てるように、授業にいろいろな工夫をしています

 授業以外での子どもとの関わりでもそうです。クラスの中にある問題を見つけたり、自己効力感を伸ばしたり、コミュニケーション能力を育てたりするためのシカケがあります。この連載では、皆さんが子育てで気になっていることについて、僕のクラスで工夫していることをお話しし、子どもと関わる際のヒントにしてもらえたらと思います。

 連載第1回のテーマは子どもの「ほめられスキル」です。親の「ほめる」スキルではありませんよ。ほめられてうれしい気持ちを表に表す力のことです

 著書などで効果的なほめ方についていろいろ述べてきた僕ですが、最近は、こう思うんです。「子どものほめられスキルが上がったら、親や教師がほめ方を勉強するのは不要になるのではないか? むしろ、そのほうがほめる頻度が増えていき、親も子も幸せになるのでは?」と。

 ではなぜそう思うようになったか、子どものほめられスキルを伸ばすためにクラスでどんなことをしているかをお話ししましょう。

東京学芸大学附属世田谷小学校の沼田晶弘さん。昨年度までは4年生を担任。同校では5年進級時にクラス替えがあり、担任も代わるので、2021年4月から新しい学級を受け持つことになる。
東京学芸大学附属世田谷小学校の沼田晶弘さん。昨年度までは4年生を担任。同校では5年進級時にクラス替えがあり、担任も代わるので、2021年4月から新しい学級を受け持つことになる。

次ページから読める内容

  • 喜ぶのが上手な人は相手も喜ばせることができる
  • 子どもの喜ぶ顔が見たい、だから親はほめたくなるという好循環
  • 喜び方が足りなかったら、お手本を見せて「テイク2」
  • 鏡の前でほめられたときの笑顔を練習してみよう
  • 親も子もほめられたら「受けて笑顔」。謙遜は場合に応じて
  • ほめられスキルは大人になってもコミュニケーションで役立つ

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