ボードゲームやカードゲームで遊びながら、子どもの多様な力を育みたい――。この連載では、「ボードゲームを使って学ぶ」をコンセプトに、ボードゲームやカードゲームに取り組む習い事「サイコロ塾」を主宰する財津康輔さんが、遊ぶことでどのような力を育めるのかを解説。それぞれの力を伸ばすのに適した、財津さんのお薦めゲームも併せて紹介します。連載5回目のテーマは「よく見て反応する力」と「記憶力」です。

<財津康輔 遊びながら思考力アップ ボードゲーム事始め>ラインアップ
【プロローグ】 ボードゲーム&カードゲームで育まれる力とは?
【1回目】教育効果が期待できるボードゲーム 子に手加減は必要?
【2回目】ボードゲーム 推論し論理的に考える力なぜ育める?
【3回目】ボードゲームで「ルールとは何か」を体感 生き抜く力に
【4回目】器用さ・想像力・表現力養う幼児OKのボードゲーム
【5回目】ボードゲームで育む「よく見て反応する力」「記憶力」←今回はココ

※以下、この記事における「ボードゲーム」はカードゲームも含めたアナログゲーム全般のことを指します。

よく見ることが反応する力や記憶力に結び付く

 ボードゲームにはさまざまな種類がありますが、「ゲームを進める上で、場の状況をよく見ることが求められるものは数多くあります」と財津康輔さん。

 財津さんによると、ボードゲームを通じて、よく見る経験を積み重ねることは、「よく見て反応する力」や「記憶力」の向上につながるといいます。

 「『よく見て反応する力』というのは、視覚を通じて得た情報をもとに素早く反応する力のことです。何かを見て行動することが求められ、なおかつ早い者勝ちの要素があるゲームにくり返し取り組むと、その力が身に付きやすくなるでしょう。

 一方、『記憶力』が問われるゲームでは、よく見る力に加えて、ワーキングメモリー(作業記憶)を働かせる必要があります。ワーキングメモリーとは、作業や動作を行うために必要な情報を一時的に記憶しておく能力のこと。このような力も、ボードゲームを活用すれば楽しみながら身に付けることができます」

 「よく見て反応する力や、見たものを記憶する力は、生活面でも学習面でもさまざまなスキルを習得するための土台となる力だといえるでしょう」と財津さん。そうした力が育めるボードゲームには、どのようなものがあるのでしょうか。次のページからお薦めゲームをご紹介します。

財津さんお薦めのゲーム。詳しくは次ページから
財津さんお薦めのゲーム。詳しくは次ページから