ラジオパーソナリティー、文房具プレゼンターとして活動するふじいなおみさんが、子育てや仕事に役立つお薦めの文具を紹介する連載。生涯「学び続けること」が大事な世の中になり、自分のためだけではなく、子どもに「背中」を見せるために「親になっても学び続けたい」と考えている人は少なくないでしょう。とはいえ、育児で時間も気力も足りないという悩みも。3回目の今回は、気分を「アゲて」くれる、子育て世代の「学び」を応援する文具や、その使い方をふじいさんが自身の体験談と共に紹介します。

子育て世代の「学び」は時間の確保との勝負!?

 文房具プレゼンターのふじいなおみです。「学ぶ」「学び直す」ことは大人になっても大切なことですよね。しかし、仕事との両立は大変です。通勤電車内で参考書を読んだり、休みの日に問題集に取り組んだりと、毎日時間をやりくりして乗り越える方が多いと思います。私も新卒で就職してすぐに自己啓発の一環で情報処理技術者試験を受けましたが、その時も隙間時間を見つけて努力を重ねました。

 ですが、今の私たちには、これに「育児」というファクター(要素)が加わります。スキルアップを目指したいけれど、子どもの生活リズムに合わせる毎日は予定通りにはなりません。「お昼寝の間に一仕事」というときに限って子どもがなかなか眠らなかったり、「早起きして時間を確保」しても子どもが一緒に目覚めてしまったり、「夜にやろう」と思いつつ子どもと一緒に寝てしまったり。私自身、娘が小学1年生になった今でも「したいこと」「やるべきこと」がなかなかできず、気分がふさぎがちになることがあります。

 それでも「学び」を諦めたくない。今回は子育て世代の「学び」を応援する「気分をアゲてくれる文具」をご紹介します。

私の出産後の「学び」体験談:文具で気分をアゲました

 出産後、小さい子どもがいると難しいなどの理由で、ラジオの仕事から離れていました。娘が3歳になる2018年。「そろそろラジオの世界に戻りたい」と決心した時、何か1つでも新しいスキルを身に付けたいと思いました。そして、受験したのは、北海道商工会議所連合会・各地商工会議所が主催する「北海道観光マスター検定」。故郷・北海道に関する知識を再確認し、ラジオパーソナリティーとしての幅を広げようと考えたのです。また、しばらく学びから離れていた私のリハビリになるとも思いました。

当時の勉強ノートと合格の証しとしてもらったバッジ
当時の勉強ノートと合格の証しとしてもらったバッジ

 北海道内でしか受験できない上に、開催は年に一度。一発合格を目指しました。その時の勉強法は、万年筆を使い、自宅にあった小さな万年筆用ボトルインク(15ミリリットル入り)を使い切ることでした。


勉強に使った万年筆用ボトルインク。ほぼ未使用の状態からここまで減りました
勉強に使った万年筆用ボトルインク。ほぼ未使用の状態からここまで減りました

 万年筆に入れられるインクの量は1回あたり約0.4ミリリットル。3カ月にわたる勉強の結果、最終的にインクはわずかに残りましたが無事に合格することができました。


万年筆が好きなので常に何本も持ち歩いて、気分によって使うものを選んでいます
万年筆が好きなので常に何本も持ち歩いて、気分によって使うものを選んでいます

 また、2021年には新たにライター業をスタートさせました。以前「小説家は新たな作品を書き始める際にペンを新調することが多い」と耳にしたことがあったので、それにならい、私も新しい万年筆を使い始めました。万年筆は使うほどに持ち主の書き癖が形になって表れる筆記具です。自分のライターとしての成長と万年筆の成長。どちらも楽しみにしながら、今日もその万年筆を使って下書きをしています。