新2年生の男の子の母で、読み聞かせをライフワークにしているフリーアナウンサーの白崎あゆみさんによる連載。今回は、読み聞かせをより効果的なものにするための注意点です。子どもの成長や個性を発見できたり、自己肯定感が高まったり、親子の関係性が向上したり…。魅力いっぱいの読み聞かせですが、その効果を最大限に発揮するために、親がしてはいけないことがあるそうです。

近視眼的になってはいけない

 この連載も、いよいよ今回で最終回となりました。本連載が、読み聞かせの新たな魅力に出会うきっかけになれば幸いです。

 本連載では、読み聞かせのさまざまな魅力を紹介してきました。

・子どもの成長や個性を発見する機会として
・自己肯定感を高める手段として
・親子の関係性向上の手段として
・子どもの知的好奇心を広げる機会として

 こうした魅力を最大限に享受してほしいからこそ、読者の皆さんには、2つの「してはならないこと」を心得としてお伝えしたいと思います。

 1つ目は「近視眼的に考えないこと」、2つ目は「アウトプットを期待しないこと」です。

 まず、1つ目の「近視眼的に考えない」から。連載第1回でもお伝えした「親が決めた本を押し付けない。本は子どもが選ぶ」について、ある親御さんから、こんな相談がありました。

 「子どもが選ぶと、同じ作家の本や同じシリーズの本ばかりになってしまいます。親としては、もっと多様な本に触れてほしいのですが、どうしたらいいでしょう」

 お子さんの選書が偏っていることに困っているようでした。確かに、本は子どもの世界を広げてくれるツールです。世界を広げるためにも、多様な本に触れてほしいと望む親の気持ちはとても分かります。ただ、私は本の選書に関しては、もっと長い目で見てもいいのではないかと思っています。

金沢市内の書店で開かれた、読み聞かせとエプロンシアターのイベントの一コマ
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石川県白山市で開催された「マザーズコーチングスクール」代表講演イベントのオープニングに登壇し、コーチング絵本の読み聞かせを実施
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