親は10年スパンで見守るような心構えで

 わが家の7歳の息子の選書歴を振り返ってみたところ、以下のような感じでした。

・2歳 電車の本
・3歳 電車の本
・4歳 昆虫の本
・5歳 昆虫の本
・6歳 昆虫の本→宇宙の本
・7歳 宇宙の本(特に『ガリレオ・ガリレイ』の伝記がお気に入り!)

 1年、2年という期間で切り取ると、確かに偏っているように見えますが、2歳から7歳までの6年間を俯瞰(ふかん)すると、電車、昆虫、宇宙へと3つのジャンルに興味関心が広がっていることに気づきます。人によっては、3つしかないなんて、少ない!と思うでしょう。ただ、ますます知的好奇心が膨らんでいくであろう今後のことも併せて考えれば、きっと多様と言えるようなラインアップになるはずです。

 なるべく近視眼的にならないように、10年スパンで見守る心構えでいることは大事だと思います。遊びも一緒です。あれだけアンパンマンが好きだったのに、戦隊ものにハマり、次は恐竜やポケットモンスターへ、というエピソードはよく聞く話です。「いつも、こればかり」と不安になったら、一度、お子さんのハマったリストを作ってみるといいかもしれませんね。

「これを読んだら知識が定着するのでは?」の期待は封印

 「読み聞かせ」は親とのコミュニケーションの手段だったり、子どもの個性や成長の発見だったり。親子の関係性を向上させ、子どもへの理解も深まる機会になる一方で、「本」を扱うためか、親の知育面での期待が膨らんでしまいがちです。

 もちろん、ひそかに期待することを否定はしません。ただ、子どもには、その期待を察知されないようにしてほしいもの。「少しでも知識が定着したらいいな」という親の期待は、ほぼ100%、子どもに見透かされていると考えた方がいいでしょう。

 特に、最近は図鑑や伝記だけではなく、「知力アップ」を売りにしている本が増えてきました。そのため、購入時に親の期待が高まってしまうのは、よく分かります。でも、できるなら、その期待は一度忘れてしまいましょう。

 英語の図鑑絵本を買ったのに、英単語の習得にはつながっていないとしても、昔話大全を買ったのに、読むのはお気に入りの「ももたろう」や「かさじぞう」だけだとしても、落胆せず、長い目で見守ってあげてほしいのです。なぜなら、子どもは案外、インプットしているものだから。