2人目が欲しいけれど、なかなかできない。こんな悩みを抱えていませんか? 本連載では、不妊ピア・カウンセラーの池田麻里奈さんから2人目不妊に悩む方へのメッセージをお届けしています。最終回は、養子について知りたい人にお薦めの小説を紹介すると共に、働く親にとって切実な「養親は育児休業を取れるかどうか」という問題について解説します。

【「2人目不妊がしんどい」働くママ&パパへのメッセージ】これまでのラインアップ
池田麻里奈 2人目不妊がしんどい 気持ちの整理法は?
2人目不妊 リセットの悲しみには夫のよりそいが不可欠
2人目問題、実子でも養子でも親の年齢のカベがある
次女は養子 「ママは産まないの?」と聞かなかった長女
「よく泣くのは養子だから?」 我に返った先輩の言葉

このドラマを見始めたのは、生みの親の気持ちを知りたかったから

 こんにちは。不妊ピア・カウンセラーの池田麻里奈です。特別養子縁組した親子について、実体験を語る方が増えてきています。でも、養子に出す側、つまり生みの親はどんな人なのか、どんな気持ちで子どもを託しているのかについては、なかなか知る機会がありません

 私たち夫婦が養子を迎えることを考え、いろいろと調べていたころもそうでした。そんな中で出合ったのが、辻村深月さんの小説『朝が来る』(文藝春秋)が原作の同名ドラマ。不妊治療を経て特別養子縁組で親になることを選んだ夫婦と、生後間もなく夫婦に託された男の子、生みの親の女性の物語です。わが子を養子に出す側の葛藤や社会的な事情が丁寧に描かれ、生みの親への理解が深まった作品でした。この小説は2020年に映画化もされています。

 ただ、働く親の皆さんが小説を読むと、不安になることがあるかもしれません。それは、養子がまだ戸籍に入っていないことを理由に、養親が育児休業を取れない場面があるからです。