2人目が欲しいけれど、なかなかできない。こんな悩みを抱えていませんか? 本連載では、不妊ピア・カウンセラーの池田麻里奈さんから2人目不妊に悩む方へのメッセージをお届けしています。池田さんが、先輩養親の岸本ケンイチさん・ユウコさん夫婦に第2子を養子縁組で迎えるまでの道のりを聞いた前回に引き続き、今回は実子と養子の違いや周囲の反応、子どもたちの将来までを考えた「つながり」の大切さについて聞いていきます。

【上編】次女は養子 「ママは産まないの?」と聞かなかった長女
【下編】「よく泣くのは養子だから?」 我に返った先輩の言葉 ←今回はココ

【「2人目不妊がしんどい」働くママ&パパへのメッセージ】これまでのラインアップ
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岸本さん夫婦
夫のケンイチさんは外資系金融企業でサイバーセキュリティーを担当。企業文化や時差の関係もあり、コロナ前からテレワーク中心で働いている。妻のユウコさんは保育士として公立保育園で働いた後、現在はフリーの保育士や性教育の講師として活動している。長女は中学生。小2の次女は生後26日で岸本家に受け入れられた。

家族の絆は自分たちで作るもの。実子も養子も私の娘

池田 特別養子縁組を考えている方の中には、「実子と同じように養子の子を愛せるか自信がない」という不安があるようです。周囲も「実子のほうがかわいいでしょ?」と聞いてくるかもしれません。実際に2人目に養子を迎えていかがでしたか?

ユウコ 実子の長女も養子の次女も私の娘なので、同じようにかわいいというのが実感です。ただ、実子はDNAで遺伝しているせいか、思っていることや行動パターンが自分と似ていて、ある程度、分かってしまうところがあります。それはそれでいとおしいと思います。

池田 通じ合うものがあるのですね。

ユウコ 養子の次女については、DNAがつながっていないからこそ、積極的に知りたいという気持ちが湧いてきます。次女は赤ちゃん時代、とてもよく泣く子だったんです。泣きやまないときに「私が親として認めてもらえていないからなのかも」と葛藤して、血がつながっていないことをマイナスに思うこともありました。これは、上の子という比べる対象がいるからこそなので、実子がいる養親の多くの方が抱く悩みかもしれません。

池田 「家族の絆は自分たちで作るもの」と考えていて、養子を受け入れる流れも自然体だったユウコさんにもそんな葛藤があったのですね。少し安心しました。

ユウコ でも、保育士時代の先輩から「子どもは自分の所有物じゃないのだから、何を考えているか分からなくて当たり前。考えていないで目の前の子どもを見ていなさい」と言われて、はっと我に返ったのです。それからは、もっともっと細かく娘のことを見て、理解しようと思うようになりました。

池田 よく泣くのはその赤ちゃんの個性であって、養子だからではないですものね。他にはどんなことを見るようにしていますか?

ユウコ この子はどんなことが好きなのかな? どんなことが得意なんだろう。どんなことに心が動くのかな。次はどんなことをするんだろうというようなことです。じっと見ていると、娘の心が見えてきて、深く理解ができるようになります。母娘として気持ちが通じ合えたときは、かけがえのない喜びや幸せを感じました。そして、ときには親にはないすてきな資質を発見することもあります。

池田 確かにそうですね。分かります。

ユウコ でも、今の話も、必ずしも「養子だから」ではないと思います。同じ親から生まれて、同じ環境で育つきょうだいでも、それぞれ個性があります。つまり、きょうだいって比べる対象ではないと思うのです。今は、私自身が「母親としてこの子たちから選ばれたのだ」と思う気持ちがあるので、「どちらがかわいいか」「実子だから、養子だから」ということで悩むことはまったくありません。

長女の卒業、次女の卒園が重なった年の記念写真。写真提供/岸本さん
長女の卒業、次女の卒園が重なった年の記念写真。写真提供/岸本さん

次ページから読める内容

  • 養親同士が情報交換をできるように、つながっていきたい
  • 養親同士のつながりを持つことが子育ての力になる
  • 傷付きを受け流さず、意見を交わして家族の価値観をつくっていく

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