冬が近づくと、気になるのはインフルエンザ。加えて今年は新型コロナウイルスもあります。高熱や咳の症状が見られたとき、「インフルエンザ? もしかしてコロナ?」と心配になるかもしれません。インフルエンザと新型コロナウイルスの症状の違いや、受診のタイミング、親が注意すべきことなどについて、国立成育医療研究センター総合診療部 統括部長の窪田満さんが教えてくれました。

 最近メディアなどで、新型コロナウイルスとインフルエンザの両方の感染が広がる「ツインデミック」のリスクが指摘されています。そのため、インフルエンザワクチンの需要が増えてワクチン不足に陥るということも懸念されています。

 しかし、今年の8月、南半球ではインフルエンザの流行がほとんどありませんでした。ここ数年なかったことです。それに加え、日本国内の感染対策を考えると、この冬のインフルエンザ流行リスクは低いと私は考えています。また、大人と子どもでは、少し状況が異なります。

 まず、正しい知識を手に入れましょう。例えば、日本小児科学会は、「新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aについて」をホームページに掲載し、随時更新しています。 また、「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」というPDFファイルを公開しています(URLは記事3ページ目末尾で紹介)。

 この「解説」は、内容が少し難しいかもしれませんが、正確な情報を提供しています。それを参考に、「子ども」の新型コロナとインフルエンザの症状を比べてみましょう