コロナ禍の緊急経済対策である、一人当たり10万円の特別定額給付金。支給の目的は家計への支援とされ、使い道は自由。消費によって経済を活性化させる効果も期待されている。そこで悩むのが「子どもの10万円の使い方」。小学生なら子ども自身も、給付があることをニュースで耳にしているかもしれない。親の一存で決めるのか、子どもと話し合うのか。使い方に正解はあるのか。2回に分けてリポートする。

前編では、小学生の子どもを持つ10家庭にそれぞれの「使い道」を聞いた。

(前編) 子の給付金10万円 社会に関心持つ契機にも←今回はココ
(後編) FPが解説 10万円給付金を有意義に使うには?

「子どもの特別定額給付金の使い道は決めた?」

 小学生の子どもがいる10家庭に使い道を聞いてみた。「まだ考えていない」「これから話し合う」という家庭が2家庭あり、「全額を子どもの口座に貯金する」という家庭が1家庭あった。現時点で子どもに欲しいものがなければ、「取りあえず貯金」というのは現実的な選択だ。実際に、auじぶん銀行の調査では、給付金の使い道として回答者の約4割が「貯金」と答えている。

 今回話を聞いたうち、ほかの7家庭はどうだろう。

 小3女子と中2男子のいるAさんの家庭では、給付金からお小遣いとして年齢×1000円を渡し、残りは子どものそれぞれの口座に貯金した。

子どもの給付金10万円、どう使う? 画像はイメージ
子どもの給付金10万円、どう使う? 画像はイメージ

 「お兄ちゃんからは『全額欲しい』と言われましたが、あげるはずはなく……(笑)。お小遣いの総額は、兄に1万4000円、妹に8000円です。使い方は自由だよと伝えましたが、妹はシャープペンとマンガを買って、あとはためておくみたいです」

 基本的には親が主導権を持って管理しつつ、一部をお小遣いとして渡し、子どもたちが欲しいものを買うというのは、親は安心でき、子どもも納得しやすい方法だろう。

 小4と中1の姉妹がいるBさんの家では、臨時休校中の3月末から、お手伝いアプリの『てつだって!』を使ってきた。手伝いをするとポイントがたまるアプリで、庭の水やりは1ポイント、皿洗い、トイレやお風呂掃除は3ポイント、ごはんを作ったら5ポイント……などと設定。手伝いだけでなく、日々の宿題やピアノの練習などもポイントに組み込んだ。目に見える形でポイントがたまっていくため、ゲーム感覚で楽しみながら、手伝いや日々のことを自発的に取り組むようになったそうだ。

 「目標のポイントがたまったら、2台目のゲーム機とゲームソフトを買うという約束になっているので、給付金はその資金として使う予定です。娘たち2人の分も支給されていることは伝えていますので、ほかにも何かを欲しいと言ってきたときには、『給付金を使ったら?』と提案してみるつもりです」