登校再開、子どもの心のケア10のポイント

 長い休みから学校へ戻ることに不安を感じたり、今までとは違う環境に戸惑ったりしている子どももいます。参加者からは「わが子はコロナウイルスが流行する前から、不登校です。親として、どうすればいいでしょうか」というチャットも届きました。

学校に行きたくない、と言われたら。画像はイメージ
学校に行きたくない、と言われたら。画像はイメージ

 副島さんは「学校に行ける!やったー!」と喜んでいる子どもばかりではないと理解を示します。

 「学校が休みの間はよかった、また登校するのは怖い、という子どもたちもいます。登校が再開したからといって、親が『はい、行ってらっしゃい!』と一方的に送り出すのは酷です。僕が院内学級の担任をしていたときに10のチェックリストをつくって、退院した子どもが学校に戻れるかを考えていました。何かの参考になればと思いますので、紹介します」(以下、「 」は副島さんのコメントです)。

1、休む以前から教室に居場所はあったのか

「そもそも、その子にとって学校は良い場所だったのか、居場所はあったのかどうか。居場所がない場所に戻れというのは、子どもにとって大変です。居場所があるか、新たにつくれそうかを確認しましょう」

2、休んでいた間に、学校や担任、友達とつながりは持てていたか

「今回のコロナウイルスは進級の時期だったので、まだ新しい担任とはコミュニケーションがとれていないかもしれませんね。その場合は前の担任や、友達など誰かつながりを持てる人がいるかどうか考えましょう」

3、復帰するに当たって、不安を軽減できているか

「例えば、勉強についていけるか、友達とコミュニケーションがとれるか、体調が悪くなったときはどうするか。不安に対して一つひとつ解決策を示してあげる、一緒に考えてあげると子どもの不安を軽減できます」

4、復帰後の見通しを持てているか

「本人が短期的、長期的な見通しを持っているか。例えば、最初は短時間の登校から始めて通常に戻っていけるのか、勉強の遅れには補習をしてもらえるのか、などです」

5、学校に相談できる人はいるか、相談できる場所はあるか

「担任でなくても以前の担任でもいいし、友達でもいい。保健室の先生や用務員さんでもいい。学校でつらいときに避難できる場所、気持ちを吐き出せる場所があると心強いです」

6、学校以外にエネルギーをためる場所はあるか

「家でもいいし、習い事でもかまいません。その子がリラックスし、エネルギーをチャージできる場所をつくってあげましょう」

7、「学校に行けなかった」という経験を糧にできるよう、種を植えてあげられたか

「これは院内学級の先生が、すごく考えていることです。大人は入院経験を『こういうこともあるさ』と思えますが、小さな子どもや思春期の子どもたちは、とてもそうは思えない。甲子園やインターハイに出られない子どもたちも、簡単に『仕方がない』とは思えないでしょう。そんなときにそばに寄り添って、『学校には行けなかったけれど、こんなに楽しいことがあった』『この人に出会えて良かった』といった種をそっと植えてあげられればと思います」

8、受け入れ側はちゃんと成長しているか

「今回のコロナ禍とは一致しないかもしれませんが、しんどい子どもたちを受け入れる素地が学校側にできているかどうか。不登校の子どもに手を貸したり、『何かあれば言ってね』という雰囲気があったりすると、うれしいですね」

9、休みの間に本人が力をつけられたか

「例えば、しんどくて大変なときに自らSOSを発信できるか。分からないことを他人に聞きに行けるか。そうしたメンタル面の強さが育っていますか?」

10、受け入れ側の組織が機能しているか。

「これは親の力だけではどうにもなりませんが、学校の体制、組織についても調べておきましょう」

 そして、何より大事なのは「子どもの心の声に耳を澄ますこと」「しっかり受けとめること」だと副島さんはいいます。

 「子どもが何かを『やりたくない!』と言ったときは『やりたくない気持ちを聞いてよ』と言っているのと同じだと思います。だから、その理由を聞いてあげると納得する場合が多いんです。『嫌だ、やりたくない!』のときは『やりたくない』以外に何かしらの『嫌だ』という理由があるはず。そこを丁寧に取り除いてあげないと、なかなか解決できません。

 子どもが『嫌だ、学校に行きたくない』と言うなら、何が引っかかっているかを考えましょう。親としては不登校をすぐに『許容』はできないかもしれませんが、まずは『受容』してあげてください。ただ横にいるだけでもいい、寄り添ってあげてください。でも、横にいて寄り添うのも、実はしんどいこと。親自身も誰かに支えてもらうことを忘れずにいてほしいです」