子どもの心のケア どんなストレス反応が表れる?

 これまでと同じように友達と遊ぶことができなかったり、親の不安な様子を見ていたりする中で、小さな子どもたちにストレス反応が出ています。

 「長い外出自粛の影響で、子どもたちにもストレスによる症状が表れ、クリニックを訪れる親子が増えています。眠れなくなったり、食欲が落ちたり、感情の起伏が激しくなる、親から離れなくなったりするなど以外にも、マジカルシンキングと言われる想像の世界の話を始める子もいます。『ぼくがいたずらしたからコロナが増えたのかな』と突然話したり、『コロナで死んじゃった』などと人形を用いてごっこ遊びをしたりすることも。これは、震災などの災害時によく起こることです。自分の中で整理できていない状態を子どもなりに考えてのことなのです。

 子どもたちはつらい体験を遊びで表現することで不安を軽減しようとしています。すべて不安の表れなので、一旦その気持ちを受け止めてあげることが重要です。親も不安な中でとても難しいとは思いますが、お子さんにいつもと少し違う様子があったら、寄り添ってあげる時間を持ちたいですね」と精神科医の讓さん。具体的にどんなストレス反応が出てくることがあるのか教えてくれました。

子どもに表れるストレス反応

0~3歳
 ・しがみつく
 ・赤ちゃん返り
 ・今までより怖がりになる
 ・寝ない、食べない
4~6歳
 ・親から離れない
 ・多動
 ・寝ない、食べない
 ・現実にありえないことを言い出す
 ・同じ遊びを繰り返す
7~12歳
 ・頭痛、腹痛
 ・おねしょ
 ・寝ない、食べない
 ・イライラ、攻撃性アップ
 ・「コロナごっこ」など不謹慎と思えるようなごっこ遊び
13歳~
 ・自分を責める
 ・他人を責める
 ・ゲームなどへの逃避

 こんなとき、親はどんな対応をすればいいでしょうか。

 「安全と安心を与えてあげることが大事です。まずは、今困っていることを聞いてみたり、自信が持てるように家庭内で簡単な役割や手伝いを頼んで少しでも頑張れたこと、できたことを褒めてあげたりするのもいいでしょう。また『傾聴』の姿勢を持って聞くことです。しっかり時間を作って話を聞き、共感してあげます。『コロナが心配なの』と言うならば『そうか、○○ちゃんはコロナが心配になっているんだね』と繰り返すように言葉にします。すると、その思いを受け止めてもらっていると感じて肯定された気持ちになります」

 もう高学年なのにやたらと膝の上に乗りたがったり、おねしょをしてしまったり、言動が攻撃的になったり、と成長した子どもたちにも、いつもとは違う変化があるかもしれません。「食欲が落ちたり、攻撃的になったりすることは、こうした非常事態では大人でもあることで、異常な事態に対する正常な反応なのです。それを薬や言動で無理に押さえるのではなく、まずは落ち着くためのサポートをしてあげます。そして、不安な気持ちを受け止め、自分で乗り越えられるように話を聞いたり一緒に考えたりと、少しずつ対処法を身に付けられるようにしてあげるといいですね」(讓さん)