「新型コロナウイルスについてはまだデータが十分に集まってはいないものの、海外の例から分かってきたことがいくつかあります。例えば、感染した子どもたちの多くは軽症か無症状で済んでいます。中国・シンガポールからの論文では、10歳未満の感染者444人中、重症だったのは1例のみで、死亡例はなかったとされています(※)。かかってもほとんどが軽症で済んでいるというのは知っておきたいことです」(美穂さん)

子どもの新型コロナウイルス感染症

●子どもはほとんどが軽症か無症状
(中国・シンガポールからの論文では、0~9歳児444人のうち重症例は1人のみ。死亡例なし)
●家族からの感染が多い
●主な症状:発熱、乾いたせき、嘔吐(おうと)、腹痛、下痢など
(鼻汁などの上気道症状は比較的少ないと言われている)
●注意すべき体調の変化:ぐったりしている、食べなくなった(飲まなくなった)、呼吸がしんどそう、顔色や唇の色が悪い
→これらの症状が1つでも見られたらすぐ保健所や医療機関に相談を

子どもの登校対策、何をすればいい?

 保育園や学校では、共用施設を使い、他の人との接触は免れられません。しかし、過剰に怖がりすぎるのも禁物です。「子どもの心身の発達にとって、外遊びは非常に大事です。子どもがたくさん集まることで危惧されているのは、飛沫感染、接触感染です。その2つに気を付ければ、公園や遊具で遊ぶことは問題ないと思われます。みんながよく触れる部分を触った後は手洗いをしっかりする、飲食前にもきちんとまた手洗いするなどを守ることを心がけましょう」と美穂さん。

 園や学校が感染対策を入念に行っても、集団生活である限り完全に感染を防ぐことは難しいのが現実です。とにかくできるのは、感染対策を子どもたちの習慣の中になじませていってあげること。月日がたつと徐々に忘れてしまいがちですが、これまでも言われている基本を徹底することが大事なのです。「園や学校に行ったり、外で友達と遊んだりするのであれば、可能な年齢ならばマスクをつけること。帰宅したら即手洗い、可能ならアルコール消毒をすること。そして、外出中に自身の目や口などを触らないように気を付けることです」(美穂さん)

新型コロナウイルス感染症対策でできること

・こまめに手洗い、消毒
・マスクをする、せきエチケットを守る
・みんながよく触れる遊具を使った後は手洗い
・飲食前にも手洗い
・風邪の症状があるときは外出を控える

 園や学校ではドアノブなどの共用部の消毒はこまめにしたほうがいいですが、家庭内に感染者や感染疑いのある人がいない場合は、家の消毒では神経質にならなくてもいいそうです。誰かが外から帰って手を洗う前に触ったりした場所など、必要なときに行うので十分です。