新型コロナウイルスの拡大がいつまで続くのか、先を見通せない状況に不安を感じているママは多いでしょう。4月7日には7都府県を対象に緊急事態宣言が出されました。地域の子育て支援スペースや児童館が閉鎖され、息抜きの場所がなくなり、家の中で赤ちゃんと二人きりで過ごすママたちの中には、孤独や不安、イライラなどを抱えている人もいるのではないでしょうか。大阪で子育て支援事業を手掛ける「みのおママの学校」の助産師、谷口陽子さんに、家の中で過ごすママが気をつけたいこと、メンタル不安を感じたときの対処法などについて聞きました。

ネットやテレビを見過ぎると不安が増すことも

 新型コロナウイルスの感染が拡大した3月頃から、地域の子育て支援スペースの閉鎖や、赤ちゃんとママ向けのイベントの中止などが全国で相次いでいます。また先日は、山梨で0歳児が新型コロナウイルスに感染、重症化したというニュースが流れました。これまで子どもに感染する割合は少ないと言われていただけに、世間に与えたショックは大きく、一層怖くなってしまったママも多いのではないでしょうか。

 とはいえ、家の中で一日中赤ちゃんと二人きりで過ごす毎日が続くと、ストレスを感じてしまうという声も聞かれます。「気を紛らわせようとしてテレビやネットを見てしまうと、感染拡大などの不安なニュースばかりが目に付いてしまい、さらに不安や恐ろしさが募ることも。『赤ちゃんはかわいいけれど、家にいるのは息が詰まりそう』『大人と話がしたい』『誰かとつながりたい』……。このような声が実際に多く寄せられています」と、助産師の谷口陽子さんは話します。

 「赤ちゃんと二人きりで過ごすママが一番気をつけたいのは、メンタル面の不調です」と、谷口さん。閉ざされた空間で過ごすことにより、マタニティブルーや産後うつのリスクが高まったり、児童虐待が増えたりすることなどが懸念されています。外出が規制されているイギリスやフランスでは、実際に虐待の通報件数が増えたという報告もあります。

 赤ちゃんの予防接種のために病院に行くことさえ怖いというママもいるでしょう。また、思うように外出できないことで運動不足が気になる、赤ちゃんの外気浴ができない……といった悩みも聞かれます。

 次のページからは、家の中で赤ちゃんと二人きりのママが笑顔で過ごすために、意識したいポイントを谷口さんに解説してもらいました。