新型コロナウイルス感染症に伴う休校要請が出てから約2週間がたちました。企業がテレワークを推奨し、実践する人も増えていますが、テレワークだけで進められる仕事ばかりではありません。子どもに留守番をさせて外出せざるを得ない場合も少なくないでしょう。子どもの防犯に関する研究に詳しく、幅広い年齢の子どもに防犯の知識を教えているステップ総合研究所所長の清永奈穂さんは、このタイミングでの留守番にはより一層の注意が必要だと話します。気を付けたいことを聞きました。

玄関や勝手口は施錠、カーテンも閉めて一人と分からないようにしておく

 清永さんによると、留守番中の実際の事例には次のようなことがあります(今回の休校中の事例ではありません)。

・知らない男が自宅マンション(4階)を訪ねてきたが、ドアを開けてしまったため腕をつかまれた(10歳・女児)。

・自宅アパート(1階)のインターホンが鳴ったため、インターホン越しに対応したところ、知らない男だった。「お母さん元気かな?」「家の中に入れてよ」などと求められたが、無視したので実害はなかった(11歳・女児)。

・一戸建てで留守番をしていたら、「お母さんのお友達なんだけど、家に入れてくれないかな、お母さんと待ち合わせしているんだ。お母さんが帰ってくるまで家で待っててと言われている」と言われ、入れてしまった。その人物は母親の部屋に入り、タンスの中から母親の下着を持って出てきた。そこへ母親が帰ってきたので、慌てて裏口から逃げて行った(10歳・女児)。

・「新聞屋です」と来て、子どもはいつもの人だと思って開けてしまったが、全然知らない人で「いつも留守なの?」と聞かれ、つい「うん」と答えてしまった(9歳・男児)。

 「休校当初は緊張感を保てていた子どもたちも、次第に疲れが出てきたり、気持ちが緩んだりしてきます。このようなときは、上記のようなトラブルが起こる可能性が高まります。留守番をさせるときも、改めて家庭のルールを確認し、安全に過ごせるようにしましょう」と清永さん。「留守番の基本」と話すのが玄関の施錠です。「一戸建てでは、勝手口の施錠を忘れがちです。門扉をきちんと閉じるのも忘れずに。親が出かける際に確認しましょう」

 子どもが一人だと分からないように、留守番のときは、カーテンも閉めておくのがよいそうです。「カーテンを開けて家の中に子ども一人だということが外から見えて分かってしまうと、非常に危ないことがあるからです。留守番中に洗濯物を入れようと窓を開けて庭やベランダに出るときは、『大人がいないな』と思われないように、『お母さーん、雨降ってきたよー』などと言って、家の人がいるふりをするとよいと思います。留守番中は、家の人がいるふり(良いウソ)ができるといいかもしれません」

 留守番中に誰か来たときは、どんなルールで対応したらよいのでしょうか。例えば、インターホンが鳴って「宅配便です」と言われた場合の対応は? ルールとして決めておきたいことを詳しく解説していきます。