子どもをよく見て医師に伝える

 とはいえ、子どもに症状が現れた場合、どうしたらいいのでしょうか。

 「新型コロナウイルスは風邪のウイルスの仲間で、乳幼児を含めたお子さんは症状が軽く済むケースが大半です。しかし発熱やせきなどの症状が続いて次第にひどくなる、ご飯が食べられない、眠れない場合は、かかりつけ医に相談してください。

 小さいお子さんは自分で症状を説明することができないので、ママ・パパが注意深く見てあげる必要があります。

 医師には、いつ頃から症状が現れたのか、いつもとどのように違うのかを伝えてください。こうした情報は親御さんにしか分かりません。医師はお話を聞き診察結果と合わせて、総合的に診断をしていきます」

 特に注意が必要なのは、「ぜんそくなど呼吸器の持病があるお子さんや、心臓に生まれつきの異常があるお子さん、未熟児で生まれて新生児のときに人工呼吸器をつけていたようなお子さんの場合です。ぜんそくがある子に、ウイルスによって気管支の粘膜に急性の炎症が生じると、発作を誘発しやすくなります。生まれつきの心臓病の中で最も多い心臓の壁に穴が開いている疾患では、肺がうっ血していて気管支炎や肺炎が起こりやすいことが知られています。

 赤ちゃんのときに人工呼吸器を長い間使用していた場合も、肺炎を起こしやすいので十分に注意をしてあげてください」