突然の学校の休校を受け、就学児童の受け皿となっている学童保育の現場。「スタッフは足りているの?」「過密空間なのでは?」など、さまざまな懸念が指摘されるなか、実際はどのような状況なのでしょうか。東京・足立区と墨田区で8校の民間学童「CFAKids」を運営しているNPO法人Chance For All(以下CFA)代表理事の中山勇魚さんに、学童の現状などについてお話しいただきました。

過密状態は9日以降の可能性

 先週木曜(2月27日)に突然、休校が決まり、学童は休まず開くことが決まったのは翌日金曜の夕方でした。そのため、今週に関してはなんとか休みを取っている保護者が多く、学童に登校している児童は全体の約半数です。足立区全体でも学童への登校は55%程度と聞いているので、他の区の学童もほぼ同じ状況だと思います。メディアなどで懸念されている「過密状態」が始まる可能性があるのは来週9日以降かと思います

民間学童は不安な状況下で運営中

 CFAでは、今回の事態を受け、行政に対し区内の学童での感染者の有無などに関する情報共有や、マスク衛生用品、トイレットペーパーといった物資の支援について要請しています。しかし、うちは民間学童ということで、物資の支援はもちろん、情報についても正規のルートでは共有できないと言われ、非常に不安な状況での運営になっています。

 足立区においては約4000人の児童が学童に通うなか、CFAは全体で300人の児童が通う、区内でも最大規模の民間学童施設です。学童が新たな感染源にならないためにも、迅速な情報共有ルートを確保したいと行政への折衝をしていますが、感染防止のためのノウハウも含め、適切な情報を正規のルートで提供してもらうには至っていません。

 文部科学省、厚生労働省からは学童で児童が座る席の間隔を1m以上離すよう通知が出されましたが、そもそも学童は学校教育の場とは違い固定の座席がありません。学童は児童が自由に動き回り、くつろいで過ごす場なので「座席を1m離す」という通知内容は学童の実情に即していません。