新型コロナウイルスの影響で、企業のテレワーク活用が急速に広がっています。以前から運用を進めてきた武田薬品工業、サントリーホールディングス、資生堂、SCSKにアンケートを実施。臨時休校に直面している子育て中などの従業員をどうサポートしているか答えてもらいました。テレワークに取り組む上での課題や利用者がぶつかる壁をどう乗り越えるかなど、運用のヒントにしてください。

■武田薬品工業
1分単位で中抜け可能。家族への声掛けで業務に集中

(回答:武田薬品工業コーポレート・コミュニケーションズ ※3月4日時点の内容)

Q テレワークにおいて就業時間の分割を認めるなどの対応策はしていますか?

A 以前から1分単位で中抜け勤務を認めるなど、個人の都合に応じて柔軟に働ける体制をとっています。

 (テレワークでは)家族にも「5時まではお仕事だから、協力してね(あるいは、一緒に机で勉強しよう)」などとお願いするなど、仕事に集中できるような協力依頼をすることが効果的との声もあります。約束の時間になれば、仕事をやめて、家族のための時間に切り替えるといったメリハリをつける意識が重要のようです。

 なお、臨時休校など、新型コロナウイルスの感染予防対策に関連し、家事や育児とのバランスを取りながら働く必要がある家庭をはじめとして、特別な事情がある従業員がチームにいる場合には、上司や同僚による特別な配慮をお願いする社内ガイダンスを出しています。

Q 自宅に資料がなくて効率が悪い、使えないツールがあるなど、テレワーク中のトラブルにはどのような対応や事前準備をしていますか?

A もともとVPN接続により、どこでも仕事ができる状況になっているので、今回の対策で特別に対応したことはありません。

 電子ファイル等の資料については、共用サーバーの他、クラウドストレージなどを利用でき、社外から容易にアクセスできる環境を整備しています。会社支給のIT機器(ノート型PC・iPad・iPhoneなど)は社外でも使えるように設計されています。

 IT関係でトラブルが起きたときには、サービスデスクというヘルプデスクが対応します。遠隔操作でさまざまな対応ができるので、テレワーク実践者も安心感があるようです。

 フレキシブルワークに伴う疑問やトラブルについては、イントラネット上に「FAQ」を掲示してあり、誰でも確認できるようになっています。

Q テレワークが続くと孤独感が増したり、ハードワークになりすぎたりするという声もあります。このようなテレワーク特有の悩みにどう対応していますか?

A 従業員間のコミュニケーションについては、ビジネスチャットによるインスタントメッセージや画面共有、オンライン通話など、オフィスにいるときと同程度のコミュニケーションを実現できるようにしています。「少し声をかけたい」というときに会話ができるので便利です。応答可能か不可か、勤務中か休憩中かなどのステータスも分かるサービスなので、オフィスにいるのと同じような感覚で仕事ができています。

 会議についても、社内外の各種会議をオンラインでできるようにシステムを整えています。

 時間管理については、新型コロナウイルスの感染予防対策により原則在宅勤務となる中で、効率的にタイムマネジメントを行い、各自が責任を持ってワークライフバランスを保てるよう意識する旨の社内ガイダンスを出しています。

写真はイメージです
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