「新型コロナウイルスにかかると子どもの症状は?」「受診の目安は?」「休校中の過ごし方は?」。親が知りたいことを、大川こども&内科クリニック院長(小児科専門医)で感染症対策に詳しい大川洋二さんに聞きました。

 新型コロナウイルスに子どもが罹患(りかん)した場合、子どもの症状はどのようなものでしょうか。

 「新型コロナウイルスは、RNAウイルスとも呼ばれ、インフルエンザやHIVと同じ感染症の仲間と考えられています。感染してから発症するまでは2~10日程度とされており、症状は鼻風邪程度から、発熱・せき、肺炎の併発まで段階があります。子どもの感染者では、軽い風邪程度の軽症で推移することが多いようです。手足口病など、一般的にウイルス感染症は子どもより大人で重い症状を示します。新型コロナウイルス感染症も同じだと考えられます」

 しかし基礎疾患を持っている子は注意が必要です。

 「小児ぜんそくやⅠ型糖尿病、免疫不全症、がんを患っている、ネフローゼ症候群などでステロイド治療をしているお子さんは、新型コロナウイルス感染症を発症すると重症化するリスクが高いので、注意をしてあげてください。

 妊娠中のお母さんも用心する必要があります。妊婦さんの肺は、子宮が大きくなり横隔膜が持ち上げられることで換気が抑制され、呼吸機能が低下しています。 そのため、肺炎を発症すると重症化する可能性があるので、人混みを避けたり、こまめな手洗いをしたりするなど十分な対策を行ってください。おなかの赤ちゃんへの影響については、妊娠後期での異常は報告されていませんが、妊娠初期・妊娠中期での影響は不明です。この感染症が流行して間もないことから、まだほとんどエビデンス(科学的根拠)がありません。今後の知見が待たれます」

 次のページでは、家庭内での感染対策や受診の目安をご紹介します。