家庭内での感染対策では何がポイントでしょうか。

 「親御さんたちは、『子どもの感染が怖い』と口々に言いますが、まず保護者の方が感染しないことが最も大切です」と大川さんは話します。

 「もちろん、子ども同士でも感染しますが、季節性インフルエンザでは『外で働いている親が家庭内にインフルエンザウイルスを持って帰ってくる』ともいわれます。まずは大人が感染しないようにこまめな手洗いなどの対策を行ってください。それがお子さんを感染から守るために最も大切なポイントです」

 子どもに気になる症状がある場合、受診はどのようにしたらいいでしょうか。

 「新型コロナウイルス以外にも、医療機関にかからないことで症状が重くなるものがあります。以下のような目安で受診を考えてください。かかりつけ医を受診する際も、他のお子さんにうつさないために、あらかじめ電話で問い合わせることをお勧めします」

(1)熱がなく、鼻水程度であれば自宅で様子を見るのもいいでしょう。
(2)発熱があり、せきなどの症状がある場合は、かかりつけの医療機関と連絡を取ってください。
(新型コロナウイルスより、アデノウイルス、溶連菌、マイコプラズマ、インフルエンザなどの感染症に罹患している可能性のほうがはるかに高いです)
(3)4日以上発熱が続き、新型コロナウイルスが心配な場合には、かかりつけ医か帰国者・接触者相談センターに連絡してください。

マスク再利用時は、内側にガーゼ、外側は消毒を

 最近はマスクがなかなか手に入りませんが、子どもにもマスクはさせたほうがいいのでしょうか。

 「せきの症状がある場合には、着けたほうがいいですね。ウイルスは、肺の水分やたんぱく成分と一緒に飛び散ります。そのため、感染している人が他の人に飛沫を浴びせないためには有効です。ウイルスはたんぱく質に付着していると長く生きるという性質もありますので、マスクをしていることで他人からの飛沫を防御する(顔の皮膚、つまりたんぱく質に付着することを防ぐ)こともできます。潜伏期や症状がない場合でも、多くの人がマスクをすることで、飛沫に含まれたウイルスの拡散を防ぐことにつながります。もちろん、マスクをしたからといって感染予防は完全ではありませんが、一定の効果はあるのではないでしょうか」

 マスク不足で手に入れることが困難な現状では、再利用を考えている人も多いかもしれません。

 「市販されている不織布のマスクは、基本的に1回使用するごとに廃棄するディスポーザブルタイプです。繰り返し使う場合には、内側にガーゼを入れて取り換えるといいでしょう。滅菌ガーゼではなく普通のガーゼで構いません。また外側は、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒すると清潔に保てます」

 家で子どもが長時間過ごすときに、気を付けたいポイントはどういった点でしょうか。