子どもが一人で過ごす時間は、できれば短く
子どもが低学年でも、元気なら一人で長時間留守番させられるのでは、と思うかもしれません。
「実際、『お父さんもお母さんも仕事だから、一人でお留守番できる?』と聞けば、多くの子どもは『できる!』と答えるでしょう。一人きりならゲームをし放題、マンガ読み放題、お菓子も食べられて自由でいい、なんて言ってくる子もいるかもしれませんね。
ただ、だいぶしっかりしてきたように見えても、小学校低学年は親などの大人に見守られることでさまざまな課題を達成し、喜びを得るような年代です。つまり、まだまだ大人のサポートを必要としていて、ちょっとの間でも独りぼっちになると、寂しいと感じるのが普通。本来であれば一人で留守番させるのはまだ早いと思います。やむをえず留守番させる場合も、小学校低学年ならせいぜい2~3時間程度と考えておいてください」
極力子どもを一人にさせないようにするために「シフト制」を組むのも一つの手です。例えば、父が午前中休むか家で仕事をするかして、子に昼食を食べさせてから出社。その後、可能であればベビーシッターなどに入ってもらい、母が早めに帰宅してバトンタッチ――というようなイメージです。
今回の休校措置を受けて、内閣府が実施している「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」補助券利用枠が引き上げられました。
シッターサービス各社の対応(3月2日時点)を次の記事で紹介しています。「臨時休校 ベビーシッターサービスの各社取り組み」
「家事代行サービスを活用する手も考えられます。朝は少しの時間子どもに一人で過ごしてもらい、10時~13時くらいまで家事代行サービスに来てもらう。そこで料理を作ってもらえば、子どもの昼食の心配もなくなります。その後、親が在宅勤務や早退をするなどして帰宅すれば、子どもが一人でいる時間を短くできます。サービス会社に事前に確認して断られることもあるかもしれませんが、事情を話したうえで交渉する価値はあります」
やむを得ず子どもに一人で過ごさせる時間は、以下のような約束事を決めておきましょう。休校のときに限らず、普段の留守番にも通じる内容です。
● ゲームをするなら○時間まで
● インターホンには出ない
● 家にかかってきた電話には出ない
● 困ったことがあったら親の携帯に電話する
慣れない留守番、しかも基本的に外出を控えるよう言われている子どもは、ストレスがたまったり、メンタルが不安定になったりすることも予想されます。
「親の携帯に頻繁に電話がかかってくるときは、子どもの『寂しい』のサイン。その気持ちに寄り添い、早めに帰宅することを検討しましょう」(小栗さん)。また、友達同士で遊ぶ約束をしてしまうこともあるかもしれませんが、必ず親に連絡して無断で外出することがないよう、また必ず相手の親の許可を得た上で会い、人の多く集まる場所には行かないことを、子どもとの間で取り決めておきましょう。
構成/日経DUAL編集部 文/元山夏香(小栗さん取材) イメージカット/PIXTA
認定NPO法人あっとほーむ&おうち保育園協会代表