同じ市内でもエリアによって雰囲気は全く違う

―― 私が東京で移住先を探していたとき、「市区町村」レベルの情報はあっても、もっと細かいエリアの情報は得にくいな…と感じていました。移住先の情報をより深く知るための、お勧めの方法はありますか?

福島:移住先を探すに当たり、やはりwebの情報収集では限界がありますよね。東京から地方移住を考えたとき、まずは都道府県、そして市区町村単位で探すと思います。けれど同じ市内でも、マンションが多く都会的な雰囲気のエリアもあれば、昔からのコミュニティーの結束が強いエリアもある。同じ市の小学校なのに、1学年100人以上のところから、全校生徒が10人に満たない小学校もあったりと、本当にさまざま。より深く情報を得ようと思ったら、まずはその土地に足を運ぶことが大事です。

 その上でお勧めしたいのが、不動産屋さんに聞くこと。それも、あえて複数の不動産屋さんに物件の紹介をしてもらいましょう。不動産屋さんごとに、「リゾートエリアに詳しい」「町中に詳しい」などそれぞれ得意分野が違うため、複数業者に問い合わせることで情報が多く集まります。市役所などの移住相談窓口ではあまり出てこない「デメリット」や「マイナスイメージにつながること」なども、不動産屋さんなら教えてくれることも多いです。僕のときは、「教育環境」や「よそ者が入り込みやすい土地柄か」など、たくさん質問しました。

―― エリアによって本当に雰囲気は違いますよね。移住後にびっくりしたことの一つです。無事自分たちにフィットする場所に移住できたとして、移住後の暮らしを充実させるために心がけたほうがいいことはありますか?

福島:移住した勢いそのままに、あちこちに顔を出し、つながりをつくっていくことを勧めたいですね。地方都市や「田舎」と呼ばれる地域は、都会に比べるとさまざまなものが足りていない。娯楽施設や子育てサービス、情報だってそうです。地元の本当においしい店は、口コミサイトでは見つかりません。そんなとき、あれもないこれもないと嘆くのではなく、じゃあ自分たちで何とかしようと、仲間をつくり、行動に移していけると、移住後の暮らしは本当に楽しくなると思いますね。実際に僕も、「この街には映画館がないよね」という飲み会での話がきっかけとなり、仲間と一緒に映画イベントを企画・開催しました。そこまでしなくても、ちょっとした疑問や悩みを相談できるつながりをつくっておくと心強いし、移住後にやってみたかったことも、どんどんかなうと思います。