いつものSuicaをお得に使うワザ

菊地 まずは、アプリのモバイルSuicaについて。Apple Pay対応端末(※)またはおサイフケータイ対応のAndroidスマートフォンにモバイルSuicaアプリをダウンロードし、会員登録します。すると、改札ではスマホをかざすだけで、タッチ&ゴーで通過できるのはもちろん、JR東日本のSuicaグリーン券や定期券の購入も、このアプリ上でできるようになります。

 そして、ビューカードをモバイルSuicaに登録することで、オートチャージを設定できるようになります。

―― オートチャージが設定できれば、駅の改札で残高不足になる不安は解消されるわけですね。

菊地 はい。ちなみにビューカード(ビュー法人カードとiiマークのあるカードを除く)からのオートチャージでは、チャージの際に1.5%のポイントがたまってお得です。1.5%がたまるケースというのは、ほかにはなかなかありませんからね。

―― そういえば私、JR東日本の駅ビル「ルミネ」で5%オフになるルミネカードを持っています。これにもビューカードのマークが付いていますから、モバイルSuicaのチャージ元として登録すれば、オートチャージで1.5%がたまるわけですね!

菊地 はい。ただしルミネカードは2年目から年会費が1048円かかりますから、その点には注意が必要です。ビューカードのマークが付いたカードの中には年会費が実質無料になるカードもありますから、新たにカードを作る場合は、そうしたものも選択肢に入れてくださいね。

 また、ビューカードをモバイルSuicaに登録すると、JR東海・西日本の新幹線予約「エクスプレス予約」に申し込むことができます。これに申し込むと、スマホで席を予約でき、改札にスマホをタッチするだけで新幹線に乗ることができるので、ぐっと時短になります。忙しいビジネスパーソンには便利だと思いますよ。

―― ただ、SuicaはJR東日本のサービスなので、通勤で私鉄や地下鉄、バスなどを使っているPASMOユーザーにとっては、心理的に使いづらいかもしれませんよね。その点、3月からは、Android端末向けにモバイルPASMOアプリも登場しました。

菊地 Android6.0以上で最新版のおサイフケータイがインストール済みの端末にモバイルPASMOをダウンロードすると、改札でのタッチ&ゴーはもちろん、クレジットカードからのオートチャージ(対象カードが限定)、アプリ上での定期券購入などができるようになります。

 モバイルPASMOの場合は、通常駅の券売機で印刷しなければならない乗車履歴などもスマホで確認できて便利です。交通費精算などに役立ちます。

―― 将来は、全国の交通系電子マネーが、スマホで便利に使えるようになるといいですね。駅の改札でも店頭でも、みんなスマホでタッチ決済しているような世の中になるかもしれません。

 次回はキャッシュレスの王道、クレジットカードのお得な選び方について、改めて伺います。



菊地崇仁
ポイ探代表
NTT東日本を経て2002年に友人と起業。06年からポイント交換案内サービス「ポイ探」の開発に携わり、11年3月に代表に就任。新聞や雑誌など各種メディアでの情報発信を行う。ポイントをはじめ、クレジットカードやキャッシュレス業界の全般に豊富な知識を持つ。IT企業に勤める妻と共に3人の男の子の子育て中。

取材・文/日経DUAL編集部 イメージカット/PIXTA

※Apple Payの店舗や交通機関での利用は、国内販売されたiPhone7と7plus、8以降の機種で可能