店頭でお金のやり取りが不要なキャッシュレス決済は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点でも注目度が高まっています。けれど、なんだか面倒で難しそうで踏み出せない――。そんな人たちのために、「キャッシュレス素人」の編集Kが、専門家・菊地崇仁さんに疑問をぶつけるこの連載。菊地さんは、同じくスマホを使った決済方法でも、QRコードやバーコードを使わない「かざす決済」があると言います。

コード決済よりタッチ決済が便利?

編集K(以下、――) 前回、QRコードやバーコードで決済する「コード決済」を初めて試してみて、荷物の多いDUAL世代には便利だと感じました。一方で、レジに並んでいる間にアプリを立ち上げたり、自分でQRコードをスキャンする場合は金額を手入力したりする必要があるなど、ちょっとした手間もかかるという印象を受けました。

菊地さん(以下、敬称略) そうなんです。しかも最近ではコンビニなどのポイントカードが、プラスチックカードからスマホアプリに置き換わりつつありますよね。レジで店舗のポイントアプリを起動して、さらにコード決済のアプリを探して立ち上げて……となると、なかなか手間取ります。個人的には、コード決済よりも、スマホを「かざす」決済方法のほうが、便利なのではないかと思います。

―― かざす?

端末に「かざすだけ」の決済方法もある。画像はイメージ
端末に「かざすだけ」の決済方法もある。画像はイメージ

菊地 はい。コード決済は専用のアプリを起動してQRコードを読み取ったり、画面に表示したバーコードを店側に読み取ってもらったりする必要がありますよね。そうではなく、決済端末の上にピッとスマホをかざす決済方法のことです(指紋認証または顔認証が必要)。最近では、VISAやマスターカードなどのクレジットカード自体にも、かざすだけで決済できる機能が搭載されていますが、それはまた別の回で詳しく説明しましょう。

 DUAL世代はお店でも子どもから目が離せなかったり、たくさんの荷物を抱えていたりしますよね。しかも時間がない。そんな人たちがスマホで買い物をするなら、「かざす」ほうが便利ではないかと思っています。