菊地 設定はそんなに難しくないですよ。それに、買い物のときにアプリを立ち上げるより、かざすだけのほうが早いじゃないですか。DUAL世代も、ピッとかざすだけの動きには慣れていると思いますから、なじみやすいと思いますよ。

―― 要は、プラスチックカードだったクレカや電子マネーが、スマホの中に取り込まれただけ、と考えればいいんですね。

菊地 はい。ただ、Apple PayとGoogle Payとでは、現状で対応する電子マネーの数に差があります。Apple Payは現状、Suica、iD、QUICPayの3種類の支払い方法がメインですが、Androidユーザー向けのGoogle Pay の場合、楽天Edy、nanaco、WAONなども登録できます。Google Payのほうが国内では利便性が高いですね。

―― 実際に試してみたほうが、仕組みを理解できそうですね。私はiPhoneを使っているので、Apple Payに登録して、使ってみようと思います!

菊地 Apple Payの場合、店頭や駅で使うには、日本国内向けに生産されたiPhone7以降の機種であることが条件です。Apple PayもGoogle Payも、まずは手元の機種を確認し、対応機種であることを確かめてから始めてくださいね。

Apple Payにクレジットカードを登録する手順

【1】標準搭載されているWalletアプリを開いて、右上のプラスマークを押す
【1】標準搭載されているWalletアプリを開いて、右上のプラスマークを押す
【2】追加するカードの選択画面が出るので、クレジットカード/プリペイドカードを選ぶ。スマホでカード券面をスキャンし、セキュリティコードを入力して登録完了
【2】追加するカードの選択画面が出るので、クレジットカード/プリペイドカードを選ぶ。スマホでカード券面をスキャンし、セキュリティコードを入力して登録完了

―― 早っ! 1分で登録できました。こんなに簡単にできるんですね。そして菊地さん! カードを登録したら、Walletアプリ上のカード券面の画像に、QUICPayのマークが表示されましたよ。実物のカードには何も表示されていないのに!

菊地 Kさんの登録したカードはQUICPayに対応しているということですね。カードの種類によっては、iDのマークが表示されることもあります。Kさんの場合、今後、コンビニなどでタッチ決済をするときは、Apple PayかQUICPayの表示がある店を選び、「QUICPayで払います」と言えば大丈夫です。

 ちなみに、iPhone7と7Plus、8は指紋認証のTouch IDですが、iPhoneX以降は顔認証のFace IDを使います。会計時の操作方法が微妙に違うので、Apple Payのホームページで確認してください。

Apple Payで買い物してみました

コンビニで商品を選び、「QUICPayで払います」と伝えると、店員が「どうぞ」と決済端末を差し出してくれました。端末が光ってスタンバイ状態になったのを確認し、iPhone7をかざすと、画面上に自動的にWalletアプリの決済画面が表示されます。ホームボタンに指を置いて認証し、会計が終了しました。

 Apple PayやGoogle Payには、Suicaを登録することもでき、駅の改札にスマホをピッとかざすだけで通れるようになります。そして、Suicaなどの交通系電子マネーをもっと便利に使うには、さらに、専用のアプリを入れるといいそうです。次回、菊地さんに詳しく聞いていきます。



菊地崇仁
ポイ探代表
NTT東日本を経て2002年に友人と起業。06年からポイント交換案内サービス「ポイ探」の開発に携わり、11年3月に代表に就任。新聞や雑誌など各種メディアでの情報発信を行う。ポイントをはじめ、クレジットカードやキャッシュレス業界の全般に豊富な知識を持つ。IT企業に勤める妻と共に3人の男の子の子育て中。

取材・文/日経DUAL編集部 イメージカット/PIXTA

※Apple Payは、国内販売されたiPhone7と7plus、8以降の機種で利用可能。Google Payは、Android5.0以降かつFeliCa搭載端末おサイフケータイ アプリ6.1.5以上で利用可能