冷凍野菜があればリモートランチの栄養バランスがアップ

 ランチだとわざわざ野菜料理を用意するのが面倒ですが、そんな時にあると便利なのが冷凍野菜です。コロナ下で買い物の頻度を控えたい場合にも、廃棄ロスがなく、長期保存ができる冷凍野菜を買い置きするのはおすすめです。

 ただし、冷凍野菜を調理する際に注意してほしいことが1点あります。それは加熱し過ぎないことです。冷凍野菜は下ゆでしてから急速凍結をしています。その下ゆでの度合いですが、生のものを加熱する場合を10としたら、8くらいはすでに加熱されていると考えてください。つまり、残り2を加熱する、という気持ちを常に持つとよいでしょう。

 よく、冷凍野菜はベチャベチャしてくたくた、歯ごたえがなくておいしくない、と言われますが、それは加熱し過ぎだからです。例えば、味噌汁に冷凍ほうれん草を入れる場合、最後の味噌を溶く直前に入れ、すぐ火を止めて味噌を溶き、再加熱して沸いたらOK。そこで加熱は終了です。

 「自然解凍OK」と表示してあるものは、自然解凍で調味液をかけるだけ。もしくはごくごく短時間の加熱でOKです。

 冷凍野菜は下ゆでしてから凍結されるので、水分が細かい氷になってついている場合があります。例えばミックスベジタブルは、使用量をざるに入れさっとお湯をかけて氷を溶かし、水分をキッチンペーパーなどで取ってから調理すると、よりおいしく仕上がります。

 私のおすすめの冷凍野菜はこちらです。

ブロッコリー 長い間人気ナンバー1だった枝豆を抜いて、今は首位に。季節によっては生で買うより安く、栄養価も高いです。自然解凍でOKの商品が便利です。ランチに1~2房添えるだけ、麺料理やカップ麺に少し入れるだけで栄養バランスがよくなります


ネギ 小口切りになっているので使い勝手がいいです。麺やチャーハン、汁物などに緑色(ビタミン)が足りないと感じたら、パラパラ散らしましょう


カリフラワーライス お米のように小さくカットされていて、低糖質ブームで注目されました。食べ応えがあります。リモートワーク続きで太ったと感じた時、チャーハンや白米のかさ増しに使うとダイエット効果が期待できます


オクラ 生で買うと1袋に何本も入っていますが、なかなか使いきれず傷んでしまうことがありませんか。冷凍オクラなら必要な分だけ使えて便利です。小口切りになっているので自然解凍後、水気を取り、おかかと白だしであえるとおいしいですよ。味噌汁ができ上がる寸前にパラパラ入れるのもお勧めです


かぼちゃ 生だとカットするのが大変ですが、冷凍は一口大にカットされていて使い勝手がいいです。


ささがきごぼう ささがきにしたり、あくをとったりするのが大変なごぼうも冷凍がおすすめです。きんぴらなどいため物にする時は先述のミックスベジタブルと同様、さっとお湯をかけ、水気を取って短時間でいためると歯ごたえがよく仕上がります。汁物にはそのまま入れてOKです

急速冷凍で栄養もキープされている

 冷凍野菜は生の時よりも栄養価が落ちてしまうのではという心配があるかもしれませんね。しかしそんなことはありません。

 冷凍食品は工場で非常に低い温度で早く凍らせています。急速凍結により食品の組織をできるだけ壊さずに凍結できます。組織が壊れていないということは、栄養成分はほとんどそのまま保たれているということです。調理加熱による損耗は生からの加熱も冷凍野菜の調理も同等値です。

 バラエティー豊かな冷凍麺と栄養がしっかりとれる冷凍野菜。冷凍食品売り場には、リモートワークのランチタイムを豊かにする商品がたくさん並んでいます。ぜひ上手に取り入れて、ランチを楽しんでくださいね。

取材・文/福本千秋(日経xwoman DUAL) イメージ写真/PIXTA