DUAL連載『内藤陽介のニュース英語塾』の筆者で、元ジャパンタイムズ報道部長の内藤陽介さんには現在、都立中高一貫校を経て私大に通う長女と、国立大付属高校に通う長男がいます。子どもたちも2人とも英語が得意ですが、インターナショナルスクールや英会話教室に通わせたことはなく英語教育をできるだけ「外注」せず、家庭内で「手作り」するというポリシーで子育てをしてきたと言います。今回は、小学校の低学年時代にした「おうち英語」の工夫、中学受験期である高学年で英語をひと休みすることにした理由などについて聞きます。

学習習慣を身に付けるために「1科目につき10分」を継続

日経xwoman DUAL(以下――) 前回の話では、小学校に入る前に、アルファベットを書けるように教えたということでした。小学校に入ると、本格的に「英語を書く」という学びも始めたのですね。

内藤陽介さん(以下、内藤) つづりを含めて単語として読み書きできるように練習し始めたのは小学校に入ってからです。英単語を覚えるときには音を中心に進めましたが、書く練習には、英語用のケイ線が印刷されたノートを買って使いました。

―― 英単語を書く段階にまでくると、アニメを見る、などと違って、子どもがやりたがらなかったり、遊びたがったりすることはなかったのでしょうか?

内藤 主に妻が担当していたのですが、わが家では子どもたちが年少か年中くらいのころから、英語だけでなく、全般的な学習習慣を付けるために、国語・算数・英語の3つを毎日少しずつすることにしていたのです。といっても1科目につき10分くらいの短時間でしたが

 短時間とはいえ、幼児期から毎日少しずつ「日課」にしたので、子どもたちもそういうものだと思っていたようです。ちゃんとしたカリキュラムを作っていたわけではなく、現実の暮らしの中で、できる範囲でできることを「ちょっと背伸びして継続する」という気持ちでやっていました。

 また、「科目」として意識し始める前から、これまでの連載で話した通り、英語でアニメを見せるなどの仕掛けは、もっと小さいころから取り入れていました。

 そのように段階的に進めてきたおかげか、英単語を書く練習になっても特に嫌がることはありませんでした。小学校でいきなり英語を書くことから始めたら、中には抵抗を感じる子どももいるかもしれませんね。